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何のためにやってるんだ

私は仕事ができない。
恐ろしく仕事ができない。
なぜかと言えば努力の仕方が分からない。
あとは、周りの反応ばかりに気を取られて、仕事の目的を見失い
失敗を恐れる緊張で頭が真っ白になる。
極めつけは理由の分からない仕事
無駄だな、とか建前だけじゃん
と思ってしまうとやる気がなくなる。

普通の大人、ちゃんとした社会人
それが難しいから取り繕っていた

誰のために?何のために?

そこで、自由に仕事をしたらどうなるか
実験することにした。

新しく入った職場。
期待に応えようなんて思わず
やりたい仕事だけにやる気を見せた。

もちろん、ありえないミスを連発したし
同じ説明を何度も聞いて「話聞いてないの?」
とやんわり指摘された。
それでも、「やる気はあるんです」とニヤニヤしてた。

そのくせ分かりずらいマニュアルに文句を言って
変更してもらい、最低限重要なことだけ覚えた。

接客業なのに好き嫌いを隠さず
良いお客さんにはニコニコして
感じの悪いお客さんには苦笑いで対応した。

寝坊で遅刻もした。

やる気がないわけではない。
建前ではなく本音でいるのは凄く怖い。
でもやってみたいんだもん。

社会人になると
「仕方ない」と愚痴を言いたくなるような場面が多くある。

やってます感を出すための会議
上司の機嫌を取る効率の悪い仕事
意味のない建前だけのマニュアル

みんな優秀だから成り立ってる。
そこに私のようなできないやつが入ると
たちまち仕事は回らない。

きっと職場では仕事のできないやばいやつである。
普通はクビである。
もしかしたら水面下で話は進んでいるかもしれない。

そんな現実を全力で無視して
私は今日もご機嫌である。

仕事を楽に簡単にこなしたい
厄介なお客じゃなくて
お行儀の良いお客様に多く来てほしい。

みんな思ってるのに
本音は言えない。

きっと自分の理想のためかもしれない。

本当はどうしたい?
建前じゃなくて本当の本当は?

自分も会社もお客も喜ぶ
そんな本音があるはずだ。

我慢してるのは誰のせい?
何のせい?

それを邪魔してるのは
いったい何だろう?

まるで不倫した芸能人を批判する視聴者のように
自分を縛る声はどこで鳴ってるんだろう?