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『言葉にできる』の価値は、どれほど?

『自分はめっちゃ言いたいのに、誰にも共感されない文章』をどれだけ生み出せるか

木村:この出版ゼミはさ、文章テクニックとかを扱うわけじゃないでしょ。『売れるためのタイトルの付け方』とか、『知ってるだけでプロっぽくなる文章の書き方』みたいなのは全然やらないじゃん。

大野:いまそういうのめっちゃあるけどね。笑。うさんくさい系のさ、「バズを生むなんちゃら」みたいなやつ。笑。「パソコン一台で世界を旅するブロガー」みたいなのも一時期よく見たけど。笑。

木村:あったねあったね!笑。おれはああいうの大嫌いなのもあって、上辺だけ整えて何とかするテクニックとか嫌いなんだよ。だから中身の切り口と構成を作り込むための話しかしないんだけどさ。

大野:AIゼミでそういう胡散臭い系の話したらもうね、主催者ストップだから。笑。

木村:参加者の人を見てたり、話を聞いてたりすると、言葉にできない感覚というか、内側にあるもの、感性がベースの説明できない何か、を抱えてる人が来てるような感覚なんだよね。

大野:わかる(深めの頷き)。クセの強い人が集まってる感じあるよね。笑。

木村:PVがどうこうとか、何冊売れましたもあるだろうけど、それよりも『自分はめっちゃ言いたいのに、誰にも共感されない文章』をどれだけ生み出せるかの方が重要だと思うんだよね。万人受けなんてつまんないよ。

大野:今までの出版の常識って、お金になるから出版する。お金になるってことはある程度売れる見込みがある。売れる見込みがあるってことは万人受けする。万人ウケまで行かないでもある程度以上売れる見込みがある、が条件だったじゃない。

木村:うんうん。

大野:でも今回のやつは全然そういう仕組みじゃないじゃん。何千部とか売れる見込めなくても、初期費用かからないからリスクもないしさ。

詳細は 『10冊売れると10,000円。 電子出版の印税の話』をどうぞ。

木村:もっとこう、多くの人からは「文章としてあなたの言いたいことはわかったはずなのに、何が言いたいのかわからなかった。」と言われるけど、極々少数の人からだけ深く理解されるような文章をどれだけ生み出せるかだと思っててさ。あれだよ、言ってることが支離滅裂でわけわかんない文章じゃないよ?笑

大野:それだと本じゃないからね。笑。

木村:大多数には全然届かなかったとしても、ごく少数の同じ感覚を持ってる人には強烈に届くような内容でいいと思っててさ。もっと言えば、『自分の言いたいことを、届く人には届く文章で。しかしそうでない人からすれば理解できない文章』を生み出せるかどうかって、何かを『作る』ことの原点なんだと思うんだよな。

大野:万人受けしないけど、自分の中には確かにある、ってものをどれだけ持っているかだね。今まで眠っていた、『万人うけしない人たち』がね、日の目を見るチャンスだよね。笑

木村:もし自分のリアルな人間関係の中に届く人がいなかったとしても、いまって通じ合える人が見つかりやすくなったのが現代だと思うんだよな。ネットでこれだけ情報発信ができる社会になったら、極少数にしか届かないとしても分母が大きくなれば何人かには届くはず。

大野:そんな人たちばっかり来たら、なかなかカオスなゼミなりそうだけどね。笑。でも非常にいいよね。笑。

木村:そういうのを持ってる人がすでに来てると思うし、もっと来てほしいな。

『言葉にできる』の価値は、どれほど?

木村:そもそも言語化できることの価値が、本来以上に評価されすぎてるんだと思うんだよね。おれが好きなマンガに『海獣の子供』ってのがあるんだけどさ。

これにすごい好きなセリフがあってさ。

『僕はごらんの通りおしゃべりだけど、言葉のない世界を持っている。世界を受け止めること、認識することを、言語に因らずにしているんだ。』

『言語は性能の悪い受像機みたいなもので、世界の姿を 荒すぎたり、ゆがめたり、ボヤかして見えにくくしてしまう。』

『“言語で考える”ってことは、決められた型に無理に押し込めて、はみ出した部分は捨ててしまうということなんだ。』

『鯨のうたや、鳥の囀り、アザラシの泳ぐ姿の方が、ずっと豊かに世界を表現してる。』(海獣の子供 第4巻)

ってところがすごい好きなんだよね。人間は人間のことを過大評価しすぎていると思うし、言語の力を過信しすぎていると思うよ。言葉って言っても、歌や詩は自然に近いけど。

大野:へー、こんなのあるんだ。

木村:子どもの頃はみんな持ってた感覚のはずなのに、それを無くしちゃうんだよな、奪われるというかさ。言語や論理性なんて便利なツールではあるけど、それ以上でも以下でもないはずなのに。

大野:前にさ、受験生の話したことあったっけ?東大受験の。

木村:え、何知らない。

大野:東大の受験してる人で、7回浪人したんだって。それで8回目の受験しようとしてるときの話ね。過去問も何周もして、全部覚えるくらいの勢いでやってる人でさ、模試の結果も結構良くて。予備校の先生が、『何で受からないんだろう?』って思って、過去問の問題文の一部を変えて出題したんだって。そしたらその人が「あ、先生、問題間違ってますよ!」って言ったんだって。笑

木村:wwwwww(爆笑)

大野:問題を理解してるんじゃなくて、問題を暗記してたらしい。笑。

木村:それはもしかしたら全てが真実ではないかもしれないけど、「知識を知ってること」の意味はどんどん下がっててさ、「知識を使って何かをできること」の価値が高まってることはまちがいないよね。

大野:おれも次回はね、自分の本を書くよ。笑。

木村:おう、そうしてくれ。笑。前回のはね、色々とトラブルが重なったからね。笑。

木村:話を戻せば、参加者に共通するのは『自分だけの感覚』に言語化能力に追いつていない人だと思うんだよな。

『『自分だけの感覚』が言語化能力に追いつかれてはいけない。』へ続く。


お知らせ
8月19日(日)16:00〜18:00に【入門編】AI時代の出版ゼミ 『つくる人の武器』としての出版講座を渋谷で開催します。

詳細はこちら👉 https://aipublish.peatix.com/
イベントページはこちら👉https://www.facebook.com/events/205068223534630/?notif_t=plan_user_associated&notif_id=1533914736234533

【イベント概要】
AI時代の出版ゼミ 『つくる人の武器』としての出版講座

AI時代に力を持つのは、自らの感性、美学、哲学を技術を駆使して形にする “つくり出す人” です。

☝️第2回より「一芸払い」をはじめました。詳細は料金欄をご確認ください。

データやルールがあるものや、そこから導き出せる『正解があるもの』はAIに任せればいい。データやルールのない『感性を元にした、正解のないものをつくり出す人』が活躍していくこれからの時代。

そんな時代に活躍する、アーティスト、デザイナー、パフォーマー、カメラマン。はたまた、料理人やパティシエ、ライターや作家、映画監督に作曲家。そんなアイディアと技術を駆使して『つくる人』たちにとって『著書』は武器になります。 

そんなAI時代に向けて、『つくる人の武器』としての出版講座を開催します。

例えばアーティストなら作品の説明や制作過程をまとめた著書をポートフォリできるのはもちろん、展覧会のグッズとして販売したり、それらをテキストに初心者向けの絵描き講座をすることもできる。
例えばパフォーマーなら自分のパフォーマンス動画を電子書籍にリンクさせて、
写真と動画と文章で作品を紹介することもできる。
 
しかもアマゾンの自己出版サービスを使えば、スマホだけで電子書籍もペーパーブックも出版することができる。どちらも1冊から販売できるから、何冊以上売らないといけないというノルマもなければ、初期費用も無料でリスクもありません。

ゼミ中には目次作りのノウハウを教えるだけでなく、どのような切り口で本にすればヒットする内容になるかの個別相談を行います。同じく出版に向けて努力するクリエイターの仲間ができるのも大きな魅力です。

■対象人物
・『つくり出すこと』をしているすべての社会人、学生
・独自の技術や作品を持つクリエイター
・自分のノウハウを体系化させたい人
・電子書籍やペーパーブックで出版したい人
・ニッチな言語や技術を極めている人(初回ではアラビア語の詩集の出版を目指している方も来ました)

■場所
くるくる Global Hub
(JR渋谷駅から徒歩5分 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目13−5)

参考note記事

・アーティストよ筆を取れ。出版は爆発だ。

・スマホがあれば出版できる

・10冊売れると10.000円。電子書籍の印税の話


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