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なんとかなる精神

涙を流すと強くなる。

わたしの毎日は、能天気で楽観的で
目の前のことにいっぱいいっぱいで
もしくは都合よく現実逃避しているかのどれかなのだけれども。

たまーに過去を振り返ることができるno+eの時間が
とても大切だ。

音楽を聴きながらポケーっとしていて
過去を色々思い出す。涙がツツー。
ああ、あんなこともあったなぁ、なんて
頭の端っこの方にくちゃくちゃっと丸めて見えなくなっていた記憶が、ふいにポンッと開く。

「過去の、未だ浄化出来ていない想い」みたいなのを書きたい、というのもno+eをはじめた理由の1つだ。

人に歴史あり。

わたしだけ、なんて思わない。
人の数だけ、そしてその人の経験の分だけ、人生はある。

わたしは「なんとかなる」精神を持っていて
そこが俺にはなかったから、と夫には褒められている。(褒めてる?よね?笑)


わたしの父はわたしが中学生のときに亡くなっている。それ以降、母は女手一つでわたしと弟を育ててくれた。

そんな母が入院した。
わたしが社会人になりたての頃だ。

もともとの持病があり、過去にも入院したことがあったのだけれど。
(当時わたし小学生。3つ下の弟を連れて、父が仕事中、2人で電車に乗り母の入院する病院へ通っていたらしい。うっすらとしか覚えていないけど。)

日頃の無理がたたったのか、それが再発してしまった。

社会人になりたてのわたしはあまり余裕がなくて
でもやっぱり心配で、仕事終わりにほぼ毎日、面会時間ぎりぎりの10分間のために滑り込みで会いに行っていた。

Yuuuが疲れてしまうから来なくても大丈夫、と母は言うけれど
「帰り道だから!気にしないで」と無理をしていた。そんなの全部お見通しだと思うのできっと母も辛かっただろう。


さすがに家では落ち込んでいたので、ストレスなのか口内炎が10個くらいできた。
何を食べても痛い。

そんなわたしを心配した友達がある日連絡をくれた。
「今、家にいる?外出れる?」
実家のマンションを出ると、友達が2人いて
「Yuuu、どうせごはん食べてないでしょ。これ食べて。お弁当作った。」

渡された袋をあけると、
小さめサイズのおにぎりと、黄色いたまご焼き、きれいに巻かれたアスパラベーコン巻き、細く切ったきんぴらごぼう、、
思わず涙が出た。目を真っ赤にして、言葉にならないお礼を言った。
「食べて早く寝な」と早々に帰るよう促され
泣きながら食べた彼女たちのたまご焼きは、やわらかく優しかった。口内炎のことは言ってなかった。ゆっくりと噛んだらごぼうは痛くなかった。


甘え下手なわたしは自分からSOSが出せない。
でもそれを察知してくれる人がいる。


こんな出来事が、思い出が、
わたしを強くさせてくれる。

なんとかなる。

幸いにも住むところはあるのだし。
母も回復はしている。わたしも働き始めたし、退院したら無理しないでいてもらおう。
何かに困ったらそのとき考えたらいい。

何日かすると口内炎もひいてきて、心身ともに回復してきたのだった。



わたしの場合、「なんとかなる」と思えている間は大丈夫。
切り替えも早いので、ズドンと落ち込んでしまえばあとは上がるのみ。

その“切り替え”のためにも涙を流すことは重要で
あえて泣く方に気持ちを持っていったりもする。

今はオイオイと泣くことはほとんど無くなったけれど
たまのツツーっと出る涙は気持ちが良いものだ。


母はあれ以来入院はしていない。
わたしは実家から離れた場所にいるけれど
すぐ会えない距離にいるからこそか、体に気を付けてくれているのだと思う。
近いと色々気になってお互いに口を出してしまいそうになるから、逆に距離があって良かった面もあると思う。

なんとかなる。


no+eで内側を吐き出したら読んでくれる人がいる。

「お肉食べたい!」って言っていたのを覚えていて、誘ってくれる友人がいる。

最近覚えたらしい武将の名前を、いくつもいくつも教えてくれる長男がいる。

替え歌を披露してゲラゲラ笑っている次男がいる。

貧血でぐたっとしているわたしの代わりに、ラーメンを作ってくれる夫がいる。


それが幸せだと思える毎日で、だからわたしは楽観的でいられるのだ。


この先がどうなるかなんて誰にもわからないけれど。
なんとかなる。
「言霊」はあると思っている。
わたしは、おもしろがれる人生にしたい。

周りの人に強制するつもりはないし、するものではないと思っているが
わたしは、もっと強くなりたいのだ。

暑さを乗り越えてもなお、未だ懸命に
玄関で咲き続けているアサガオのように。



♪お疲れのあなたに
たまにはね、足の裏を離してもいいのですよ。一緒にぶらーんとしませんか。
きっと、なんとかなります。


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