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【めまい】を引き起こす要因とは・・・  首痛や頭部痛との関係性

気温の変化や気圧の変化が激しい時期は身体の不調を感じる方が増える時期でもあります。不調の症状は様々ですが、めまいもその中の一つです。
めまいは、一般的には脳や耳の影響を受けていることが多く、慢性痛とは
関係がないと思われがちですが、実は慢性痛や筋緊張が関係しているめまいというものもあるのです。
今回はそんなめまいについてお伝えしていきます。


「めまい」とは

めまいとは、目が回る、身体や頭がフラフラする・ふわふわするなど、状態や症状の事を指します。
めまいは、症状によって大きく2つに分けられます。
回転性めまい・・・周囲の景色がぐるぐる回っているような状態
浮動性めまい・・・自分の身体が揺れているような状態

めまいの症状が発症した場合は緊急性が高い可能性もありますので、ためらわず脳外科や耳鼻科など医療機関の受診が必要です。
受診の際には、どういったタイミングでどのようなめまいがどのくらい持続したのか、吐き気や頭痛など、めまい以外の症状はなかったか、といったような状況を詳しく伝えることで原因が特定しやすくなります。
しかし、医療機関での検査では特段の病気は発見されなかったにもかかわらず、めまいの症状は改善されないと言った方もいらっしゃいます。
その要因として、首や頭部の筋肉や関節の固さが関係している可能性があるのです。


頚部に原因があるめまいとは 

「頚性(けいせい)めまい」という診断名を聞いたことがあるでしょうか?
頚性めまいとは、文字通り頚部に原因があるめまいの事です。
首や頭部の筋肉や関節の固さが主な要因で、首から後頭部を通る動脈に負担がかかり、脳への血流が遮断されて血圧に影響が出ることで発症すると言われています。


後頭部図

ではどんな方が頚性めまいを起こしやすいのでしょうか?

・常に首や肩が凝っている
・パソコンを使った作業が多い
・下を向いた作業が多い
・枕が合っていない
・睡眠不足
・冷え症
・スマホを長時間使用している
・運動不足が続いている
・ケガによる頚椎の損傷があった
・首に負担がかかる姿勢を続けている

当院にも首や肩の症状を訴え来院される方がいらっしゃいますが、問診では首や肩の症状と並行して、頭痛やめまい、低血圧や冷えを感じていると回答される方が多くいらっしゃいます。
首や肩の筋肉や関節が固くなる原因は人それぞれで違いはありますが、身体の歪みと筋緊張を改善させていくことが頚性めまいの症状軽減の近道となります。


頚性めまいのケア方法

頚性めまいのケアでは、首や頭部への負担を軽減させて血流を良くしてあげる必要があります。

①背骨の可動域を広げて肩こり改善
肩を下げて両手を後ろで掴み肩甲骨を寄せる動作を行いましょう。
背骨の動きが良くなり、関節可動域がひろがる感覚が感じられるでしょうか。

背骨の可動域を広げるケア

首こりや肩こりになりやすい要因として背骨の固さが挙げられます。
背骨の可動域をひろげることで頭部や首への負担を軽減します。


②手首や腕を伸ばして筋緊張改善
手のひらを椅子や台の上に乗せて肘を正面にします。
この状態から少しずつ手のひらに体重を乗せて腕や手のひら側の手首を伸ばしていきます。

手首や腕の筋緊張を軽減するケア

手首や指、腕まわりは肩や首との関連が高いため、ここの関節や筋肉の固さは首こりや肩こりにつながります。
手首や腕の筋緊張をとることで、頭部や首への負担を軽減します。


首や頭部への直接的なアプローチも良いですが、刺激が強いことでめまいが悪化してしまうケースもありますので、ご注意下さい。
また、首を大きく動かすとめまい症状が出る場合がありますので、あまり首を動かさずにケアをしていきましょう。

首や頭部への負担は様々な原因があります。
まずは上記の方法などを参考に、ご自身でケアをしてみて、それでも戻りが早い場合は専門の治療院や整体院、徒手療法の専門家に相談し、適切なアドバイスを受ける事で改善を目指していきましょう。



頚性めまいの現況

近年では頚性めまいに関する色々な研究も進んでおり、関心度も高まっているように思います。
その背景には、パソコン・スマホの普及や、睡眠不足・運動不足など、現代病とも言えるような事が影響している事もあるかもしれません。
ある研究では1000例のめまい患者を集めて調べた結果、89%の方が頚性めまいだったという報告もあります。
こういったことからも、頚性めまいは「めまい」を改善させる上でも見逃してはいけない要素の1つと言えると思います。
一方で私が伺う限りでは、医療機関では画像や数値の精密な検査で特に異常がない場合、薬の処方になることが多いように感じます。

めまいは非常に辛い症状でストレスを感じることもあります。
身体の歪みや筋緊張を改善していくことで症状が軽減できれば快適に
日常生活を送ることができると私は考えております。

また自律神経不調によるめまいもあります。
この場合でも筋緊張や身体の歪みを整えることで、症状改善の可能性は
高まります。
生活習慣や日常生活でのストレスなど心因的な部分もあるため、精神科医の受診範囲となることもありますが、いずれにしてもめまいが少しでも軽減される事は、日常生活の質向上につながるのではないでしょうか。

参考文献
後頭下筋の構造的および機能的変化はめまいを誘発する可能性
医学論文「頚性めまいの重要性」
頚部痛を伴うめまいについて
日本耳鼻咽喉科学会めまい診療のすすめ方


今回の記事は以上です。
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