言語探偵T 第8話
感覚問題 (中編)
「in-after問題」に対して、いくつかのコメントが寄せられた。
2.個人差の謎
(19) I’ll be back in 30 minutes.
(20) I’ll be back after 30 minutes.
inのコアイメージが「内部」であるなら、in 30 minutesをwithin 30 minutesと考えるのは自然であろう。
実際、そう捉えるネイティブもいる。(『英語教育』 2012年 2月号 より)
しかし、in 30 minutesは「ふつうはきっかり30分後」と捉えられることが多い。実際、もう1人のネイティブはそのように述べている。
このように、ネイティブでも意見が食い違うことがある。
なぜ、このような個人差があるのだろうか?
可能性 1: 違うコアイメージをもっている
可能性 2: コアイメージの捉え方( =どのように応用するか)が異なる
他に考えられる可能性はあるだろうか?
さらに面白いのは、after 30 minutesも OKということである。
なぜか日本の学校ではafter 30 minutesはいわないと教わる(少なくとも自分はそうであった)。
上のB氏のコメントでは、after 30 minutesは「話し言葉」とあるので「くだけた表現」なのかもしれないが、A氏によるとホワイトボードなどの書き置きにもよく使われるそうである。
また、inとafterがともに使えるということは文法書にも載っている。
(『徹底例解 ロイヤル英文法』 より)
つまり、inは「今から~後に」というときに使われ、afterは過去の出来事に対して使われる。
これはあくまで傾向であり、個人差もあるため「ふつうはそのように使われる」という説明になっているのだろう。
この「個人差」という点を掘り下げるために、次の「fishing問題」を考えてみよう。(『英語教育』 2012年 2月号 より)
「海で釣りをする」という場合、どのような前置詞が使われるのだろうか?
そして、何を基準に前置詞を選んでいるのだろうか?
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