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epilogue 『わたしの黙示録』
縋る術もなくて私たちを襲った夜を心地よく受け入れた青い青い果実。
それを食べた闇を神様は見ているだろうか。
始まりと同じように、終わりにも罪がある。
だけど終焉に食べられたのは赤い熟れた林檎とは違う、固くて歪でアダムもイブも決して食べ無いような青い鈍い透明な青い果実なのだ。
世界を裏切ったかつての2人の影を、私は刹那視界に捉えたような気がした。
だけど、私たちが裏切られた側だったからか、もうどこに
『人と月に蓋をして』
「“よる”や」
____強く強く願っている。私達は、永遠だと。
世界が眠りについた27時、未だギラギラと陽射しがやまない。私は急いで自転車で十字路への坂道を勢い良く駆け下りた。
「邑!」
「あ、那津」
邑は私を見るなり嬉しそうに自転車のカゴから黒い布を出して旗のように振る。準備は万全みたいだ。私達にとって睡眠すら削った秘密の時間は、普通を忘れてしまったこの世界に唯一相反していて特別だった。
「暑