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セルフトークにラベルを貼る

わたしたちは誰しも、「自分はこういう人間である」という自己イメージを持っています。自己イメージは自分自身の行動の結果に直結するとても重要な要素です。

前回の記事では、自己イメージを形成する「セルフトーク」をポジティブに変えていきましょう、というお話をしました。

こちらの記事を読んで実践してくださっている方は、「ポジティブなセルフトークって難しいな……」と感じている頃かもしれません。

今までの人生で無意識に続けてきたセルフトークを突然ポジティブなものに変えていくことは簡単ではないかもしれません。
そこで今回は、ポジティブに変える前の準備運動として、「セルフトークにラベルを貼る」というステップをご紹介します。


セルフトークにラベルを貼る

STEP1. セルフトークを意識にあげる

わたしたちはふだんから無意識のうちにたくさん自分に話しかけています。
セルフトークのコントロールは、まずその存在に気づくことから始まります。

ふとしたときに「今、何か考えていたかな?」と考えるようにし、頭の中で流れている語りかけを意識にあげていきます。たいていはどんな時でも何かしらのセルフトークが走っています。セルフトークってこんなにあったんだ!と気づくことが重要です。

この文章を読んでいるときも、何かしらのセルフトークが走っています。いまどんな感情や感覚、思考が起こっているでしょうか。セルフトークを見つけたら、目を閉じて静かな気持ちで、ただ見つめてあげてください。ポジティブに変えたりする必要はありません。何もしなくていいので、「ここにあるな」と感じてあげます。無意識だったものを意識にあげていきます。声に出したり紙に書いてみるのも意識にあげるいい方法です。

朝起きたら。歯を磨きながら。ご飯を食べながら。通勤通学の間。仕事や学校で過ごしている間。テレビを見ているとき。SNSを見ているとき。まったりしているとき。寝る前ふとんに入ってから。などなど、日常のあらゆるタイミングで、セルフトークを意識にあげる習慣をつけていきましょう。

意識にあげられるようになってくると、わざわざ練習しなくても、自然とセルフトークをしていることに気づけるようになってきます。
気づいたら、意識にあげる。これをしっかり実践していきましょう。


STEP2. セルフトークをラベリングする

セルフトークに気づけるようになってきたら、次のステップです。
意識にあげたセルフトークの内容を観察し、ラベルを貼っていきます

3つのラベルを用意しました。

①「夢や目標に必要」
②「夢や目標に不要」
③「夢や目標に関係ない」

セルフトークの中身を観察して、この3つのうちどれかをラベリングします。
浮かんだセルフトークに付箋を貼ってあげるようなイメージです。
ラベルの貼り方に決まりはありません。みなさんの自由なイメージのままに貼ってあげてください。色や形がついていてもいいですね。


例えば、"大学受験や資格試験に合格するという目標"があるとします。
今まさに問題集を解いている場面でのセルフトークについて考えてみます。

「この問題正解した!わたし最高!」
⇒これは①「夢や目標に必要」をラベリングします。

わたし最高!と思えるポジティブなセルフトークは、どんどん試験に合格する意識を推し進めてくれます。夢や目標達成に「必要」なセルフトークです。


「また間違えちゃった。わたしってなんでこうなんだろう……」
⇒これは②「夢や目標に不要」をラベリングします。

「また」間違えたというセルフトークは、自分はいつも間違えてしまう人間であるという自己イメージにつながります。ということは、このセルフトークは目標達成を邪魔してしまいそうですね。「不要」のラベルを貼ってあげます。


「おなかすいたなぁ。」
⇒これは③「夢や目標に関係ない」をラベリングします。

おなかがすいたことは試験には関係ないですね。だから「関係ない」を貼ってあげます。


このように、意識にあげたセルフトークを、ラベルを貼ることで仕分けしていく習慣をつけていきます。


STEP3. ラベリングしたセルフトークを処理する

ラベリングに慣れてきたら、最後のステップです。
それぞれのラベルに応じて、セルフトークを処理していきます。


①「夢や目標に必要」
⇒このラベルが貼られたセルフトークは。自分が目標を達成するために必要なものたちです。
いつでも手が届くところに置いておきたいですね。
自分の近くに宝箱があることをイメージして、そこにそっとしまっておきましょう。宝箱を開いたら素敵なセルフトークがたくさん詰まっているようなイメージです。
そして、いつでも宝箱から取り出して、自分自身に贈れるようにしてあげましょう。


②「夢や目標に不要」
⇒こちらは不要なセルフトークでしたね。
ということは、自分のそばにいなくていいものたちです。
このラベルを貼ったタイミングで、できる限り遠くの方に飛ばしてしまいましょう。家の外、街の外、雲の上。その飛ばしている景色を五感を使って具体的にイメージしてあげます。
不要なラベルを貼ったセルフトークを、部屋から窓の外に出して、屋根の上に飛ばして、鉄塔に沿ってぐんと空に向かって、雲の上へビューンと飛ばす……。そのシーンをありありと想像してあげてください。
慣れてきたら、さらに遠く遠くに飛ばしちゃいます。日本の外、地球の外、太陽系の外、宇宙のはるか彼方……。
そうやって遠くに飛ばし、このセルフトークとはもうお別れしてあげましょう。


③「夢や目標に関係ない」
⇒こちらの「おなかすいたな」「いい天気だな」などのセルフトークは、夢や目標には影響のないものです。その場で忘れてしまってかまいません。


このように段階を踏んでいくことで、セルフトークを意識にあげ→選別し→ポジティブなものだけ残し→いつでも使えるようにする、ということができるようになっていきます。

この3つのステップはどんなときでもできちゃいます。
変に気負わず、気軽にどんどん実践してみてくださいね。


他者からの言葉にもラベリングを

さて、ついでと言ってはなんですが、他者からの言葉についても同じようにラベリングをしてみましょう。
人から言われた言葉はすでに意識に上がっているものなので、セルフトークでラベリングするより簡単かもしれません。

使うラベルはまったく同じです。

①「夢や目標に必要」
②「夢や目標に不要」
③「夢や目標に関係ない」


「試験勉強をがんばっていてすごいね。」
①「夢や目標に必要」のラベルを貼りましょう。

そして「ありがとうございます。うれしいです。」と素直に受け取り、宝箱にしまってあげます。
卑下したり謙遜する必要はありません。
その言葉はあなたとお相手、双方がニコニコになれる素敵な言葉です。あなたの合格という目標への強い力になりますし、お相手も喜んでくれたあなたを見てうれしい気持ちになります。


「あなたはその大学/資格向いてないよ。」
⇒即座に②「夢や目標に不要」のラベルをペタリ。

「そうですか~。」と受け流し、不要なので宇宙の彼方へポイ。
これでおしまいです。
怒ったり悲しんだりする必要はありません。あなたの目標達成に必要のない言葉のせいで、負の感情を抱く必要はないのです。何も感じなくていいです。

ここで何か負の感情を発生させてしまうと、ネガティブなセルフトークにつながってしまいます。「そうか、わたしは向いてないんだな……」と無意識に考えるようになってしまうんですね。
ですから、ネガティブな言葉を受けたら、セルフトークになる前に仕分け。不要なのでポイ!を徹底していきましょう。

ちなみに、ちょっと高度なテクニックですが、このとき代わりに自分でポジティブな言葉を贈るようにしてあげるのもおすすめです。
「わたしはこの大学/資格に合格して楽しい生活を送る。だから勉強が楽しい!」のようなポジティブなセルフトークを自分で用意して、①「夢や目標に必要」でラッピングしてあげます。

不要な言葉は宇宙の彼方へ飛ばしたうえで、自分自身で素敵な言葉を贈ってあげるとより効果的です。


「昨日さわやかのハンバーグ食べたんだ。いいでしょ~」
⇒これは③「夢や目標に関係ない」です。

さわやかのハンバーグはおいしいし、うらやましいかもしれませんが、「合格する」という「夢や目標」には関係ないですね。
関係のないことなので、特に感情も抱かなくていいです。「わたしは試験勉強で必死だというのに、さわやか自慢をしてくるなんてひどい!」とか思う必要ありません。忘れちゃいましょう。

試験が終わってから食べに行ってもいいし、すぐに食べたければスケジュールを調整すればいいですね。移動中にできる勉強もあるでしょう。感情的にならずに、しっかり理性的に処理してあげてください。


このラベル貼りは、他者から「夢や目標に不要なこと」「関係ないこと」を言われたときに自分の感情を乱されない練習にもなります。

人から言われたことに一喜一憂していると、どんどん疲弊してしまいます。誰かからの言葉によって、自分自身が擦り切れていくような感覚、きっとみなさん経験があるでしょう。

他者や社会はそれぞれの都合や立場であなたに語りかけてきます。
人からの言葉で感情を乱される状態は、自分の評価軸を他者に預けている状態とも言えます。みんながみんなバラバラの評価軸であれこれ言ってくるわけですから、それらすべてに反応していると、自分自身もバラバラで何が何だか地に足がつかない感覚に陥りやすくなってしまいます。

反射的に感情が引き起こされ振り回されてしまうより、自分自身でしっかり考えられる方が、すこやかでハッピーですよね。
「ラベル貼り」という習慣ができていると、感情が出てくる前に処理できるようになるので、しっかり自分の足で立てるようになります。


だいじなこと

ところで、セルフトークのラベル貼りには、とある前提があることに、みなさまお気づきかと思います。それは、


"夢や目標があること"


ラベルを選ぶ基準は、「夢や目標」に必要かどうか、なのです。


みなさんは今「夢や目標」があるでしょうか?
まさに夢に向かって邁進中です!という方もいれば、子どもの頃はあったけれど、大人になった今それどころじゃない……という方もいらっしゃると思います。

実は、すこやかでハッピーに生きていくために欠かせないことが、「夢や目標を持つこと」なのです。

今は夢や目標がないな、という方も、この機会にじっくり考えてみてください。
その際、お金や時間、年齢、人間関係などのあらゆる制限を取り払い、自由な気持ちで考えてみましょう。

お金も時間も人間関係も全く気にしなくてよかったら、自分はどんな人生を送りたいかな?何を成し遂げたいかな?

ぜひ、リラックスした状態で、楽しく考えてみてください。




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