見出し画像

BEB5土浦 | 暮らす街を愛した記憶と

修学旅行で沖縄に行き、あっという間にその土地を好きになる経験をしたわたし。そんなわたしが今度は旅先ではなく、暮らす街をだんだんと愛する、そして愛される経験をした話とともに、茨城県土浦市にあるBEB土浦の滞在記を綴ろうと思う。この話の共通点は”茨城県”である。

入社して、間もなくして「茨城県に星野リゾートが出来るらしい。」ということを聞いたとき、わたしは思わず小さくガッツポーズをした。これでわたしの大好きな茨城の魅力が世に出ていくのだと思ったからだ。

わたしは大学時代、茨城県つくば市に住んでいた。本当は1年間だけ、という親との約束を見事に破り、まるっと4年間。そこに暮らしていた。とにかく、その街のことが好きだった。大学の近くで一人暮らしをしている友達も多く、終電という概念もなく、楽しくて自由な暮らしだったということももちろんあるかもしれない。

でもそれ以上に、都心から少し離れたちょっぴり田舎の、自然に囲まれた生活が心地よかった。都心へ出るのは不便だったけれど、車を持っている友達と数人で、県内で遊ぶのも十分楽しかった。本当は魅力が詰まったこの茨城県がいつか世の中に出ていくように、と願いながら、わたしは土地を愛し、土地に愛された。

大学時代の友人を誘って、BEB土浦に行ったのはおととしの2月のこと。電車に揺られること1時間。駅直結のアトレの中にあって、アクセスは抜群だ。ちなみに”BEB”とは前回記事に書いた”星のや”のように星野リゾートが持っているサブブランドのひとつ。

コンセプトは「居酒屋以上、旅未満。みんなでルーズに過ごすホテル」。

まるで飲食店に入るかのような気軽さで扉をくぐる。でも、そこには秘密基地のような、わたしたちだけの、とっておきの客室がある。気心知れた友達との旅行にはぴったりの場所だと思った。

中でもBEBは土浦がサイクリングの聖地でもあることから、自転車と泊まれるサイクルルームがあったりもする。こんな風に抱きしめて寝るかは別としてね。(笑)

愛する自転車とともに…サイクルルーム🚴

わたしたちが泊まったのはヤグラルーム。
この秘密基地感がわたしは大好きなのである。ところで今回旅のお供をしてくれた友達、りっちゃんとは10年来の付き合いである。中学の同級生で、なんと大学で再会したのである。高校の3年間は離れてしまったけれど、また再会し、それはそれは苦楽をともにした親友なのだ。

秘密基地感たっぷりのヤグラルーム

りっちゃんとホテルについて、荷物を置き、すぐに出発をした。懐かしのあの場所へ行くためである。わたしたちは自転車を借りることにした。なんて便利な。すべてスマホで完結できた。たしか2月だったけれど、太陽が顔を出してくれてあったかかった。河津桜がもう咲いてなんかいたりして、季節がこれから変わっていくことを感じながら、わたしたちは中学性のころのように、変わらずに縦一列で大きな声で会話をしながら、自転車を走らせた。

向かった場所はココ「土浦魚市場」である。ここの海鮮丼は学生時代よく食べに行った。土曜日限定のまぐろ食べ放題が目玉商品。金曜日の夜、しこたま飲んだあと、「明日魚市場行こうぜ!」というノリになり、翌朝二日酔いの眠い身体を起こして行ったものだった。変わらない味と、大盛況さに安心感を覚えながら、わたしたちは夢中で海鮮丼を頬張った。

さてさて、食後の珈琲がわたしたちにはお決まりだった。ふたりとも珈琲が好きである。気持ちのいい桜川沿いを漕ぎ、見つけた小さな喫茶店。レトロな雰囲気に吸い込まれていつの間にか、わたしたちはカウンター席に座っていた。常連客のほかにいたのはわたしたちだけで、マスターゆっくり丁寧に、いろいろな話をしてくれた。

マスターが珈琲をこよなく愛していることが伝わってきて、グっときた。好きなことを仕事にすることの大変さを、嬉しそうに話してくれた。この人は幸せなのだと分かった。わたしもいつまでも好きなことをしよう、と決めた。あのときの、マスターの笑顔がいまでもずっと忘れられない。

すぷれも☕️
カップが可愛く並んでいた☕️

帰りにサンドイッチ屋さん「つじや」で翌朝のサンドイッチを買い、ホテルに戻った。学生のころ近くのスーパーにいつも並んでいたサンドイッチはここで作られたものだったのかと知り驚いた。なつかしさがまたこみ上げた。

さあ…ここからは宴である。アトレで食材を買い込み、お部屋に戻って宴がはじまった。駅直結って素晴らしい。わたしとりっちゃんは、喋ることと食べることと、飲むことと、大忙しだった。「口が足りないね。」と言って笑った。朝日でも見に行こうか、と言っていたけれど、遅くまで宴を開いていたせいでわたしたちは起きれなかった。昨日のうちに買っておいたサンドイッチを、甘いのとしょっぱいの、ひとつずつ交換して食べた。

結局、チェックアウトまで部屋でのんびりと過ごした。そのあと思い立って、土浦駅からバスでつくばまで。ふたりの元アルバイト先に立ち寄り、なつかしさを土産に帰路についた。(実はアルバイトも同じだった!)

なつかしい、って嬉しい。初めて行ったホテルなのに、ずっとなつかしかった。ずっとホッとした。新しい場所の開拓もいいけれど、一度訪れた場所にまた違う自分で行くのもとてもいい。街を愛した記憶が、際限なく強まっていく。こういう旅もいい。今度はポタリングが趣味の旦那さんと、わたしも最近買った自転車を持って、来よう。


いいなと思ったら応援しよう!

Yuuri
見に来てくださりありがとうございます^^これからも心のままに、言葉を大事に、更新を続けます。サポートいただけたらとてもうれしいです!