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9月の読書 | 私が持っているのは「今」という時間だけなんだから。


やっと、朝晩には涼しさを感じられるようになった。ここ最近は気づいたら寒くなってしまうし、気づいたら暑くなっているし、季節の変わり目を見逃さないように必死である。目の前にある変化だけを、今だけを心から愛している。愛している、を続けること。そうやってずっと、人生を守っていくのだと、思う日々です。あぁ、秋ってなんて気持ちがいいんだろう。

下北沢について/吉本ばなな

ほんの少しの移動なのに、もうあの人たちと同じ生活のリズムで暮らせないことも切ない。でも、私は上を向いて、前を向いて、今日を、今現在を生きていたい。
 子どもが赤ちゃんだったときのことを恋しく思わなくはないけれど、小さい頃毎日読んだ絵本やおもちゃを見ると胸がいっぱいになるけれど、でも今の子どもと会えることのほうが嬉しい!それと同じだ。
 だってこの人生、私が持っているのは「今」という時間だけなんだから。

下北沢について/吉本ばなな

引っ越しの多い人生だった。そしてきっと、これからも多いかもしれない。せっかく築いたつながりがなくなってしまうのではないかと、その別れの儚さに泣いた夜もある。でもいつだって今を、その場所を、その土地を、その人を愛するしかなかった。わたしには今がいつだって全てだから。あの頃は良かったなと思いながら、今はもっと最高だと信じたい。街と、人と、暮らしていく。

空白を見たしなさい(下)/平野啓一郎

仮面やキャラのように、表面的に使い分けたり、演じたりするのではなく、すべてが<本当の自分>だ。個性とは、唯一不変のものではなくて、分人構成比率であり、誰とつきあうかで変わってゆく。一人になって考えるときにも、いつも同じ自分で考えているのではなく、誰かとの分人が入れ替わり立ち替わり考えている。

空白を満たしなさい 下巻/平野啓一郎

自分のなかにある分人について考える。家でのわたし、ある友達の前でのわたし、またある友達の前でのわたし、職場でのわたし。定期的に会いたくなる友達がある程度特定しているのは、きっと彼女らといるときの自分が好きで、好きな自分に会いたいという気持ちもあるのだろう。他の人と比較は出来ないけれど、わたしは分人が多いような気がする。正反対の場所にあるようなわたしの分人が近しいタイミングで出てくるときに感じている苦しさも、ずっとどこかで感じているような気もする。

ただ、結婚をしたことで生活の中で圧倒的に好きな自分が長い時間を占めるようになった。あと、同じ人に対してでも分人が変化することもあると感じる。たとえば両親といるときの自分。いつかの反抗期のときに親がどうしようもなく鬱陶しいと感じていたのは、うまくコミュニケーションをとることができない自分へのいら立ちでもあった。今は、いつも心が穏やか。それは、人間関係は自分で取捨選択できるようになった自由や、夫との分人の長さゆえに、基本的に心地よい分人で過ごしていて、その流れのまま、ほかの人にも同じような分人が現れたりしているのかもしれない。

お金の大学/両@リベ大学長

わたしは、本当~~~にお金が苦手。お金の制度が苦手。お金大好きなのに。税金とか積み立てNISAとかちゃんと分かっていないまま払っている。これは…よろしくない!と思い、ちょっと胡散臭いけど評判がめっちゃいい本をとりあえず読んでみました。とっても分かりやすい。同じような悩みがある方がいれば、だまされたと思って、一冊置いておくとかなり知識になる。そして、お金って面白い。苦手意識があったけれど、もう少しその意識を捨てよう!と思いました。

花のことば12ヶ月/川崎景介(監修)

花は英語で「flower」、そして、この言葉はこれに発音の似た小麦粉は欠かすことのできない糧であり、それが十分な状態は「最良」を意味します。そして、また花も、その美しさや芳しさで人生に「最良」の瞬間をもたらしてくれます。さらに二つの言葉から派生したflourishには「繁栄する」という意味があります。つまり英語圏済む人々にとってflowerは「繁栄し、もっとも好ましい状態にあるもの」をおもに意味する言葉であり、そこが起点となって、ある時は幸せや喜び、またある時は逆に悲しみや苦しみなどの様々な思いを代弁するモノであり続けてきたのです。

花のことば12ヶ月/川崎景介(監修)

山梨旅行に行ったとき、本屋さんで見つけたかわいい一冊。季節の花たちの花言葉とか、エピソードがたくさん載っていて、パッと開いたところを読むのが楽しい。

わたしの夫はふとした時に花をくれる。「ゆうりちゃんぽいから。」と言って買ってきてくれた芍薬。花言葉は「つつましさ」「恥じらい」。控えめな女性を表現する花。ん。全然違う?かも?と思いつつ、大きなピンクのふわっふわの花を咲かせた芍薬には控えめな感じはなくて、大胆で、とっても綺麗で、嬉しかったこと。わたしの誕生日カラーであるフレッシュグリーンのバラをあるとき贈ってくれたこと。なんでもない日が、とっておきの1日になり、いい時間がはじまる。

大切なひとの大切なひとが遠くへいってしまって、どうしたらいいか分からなくて、わたしは花を渡した。言葉ではもう彼女を癒せないと思ったから。でも花言葉にきちんと心をこめた。「希望」「常に前進」明るい彼女の未来を願ってガーベラの花を。元気にしているだろうか。


読書の秋。縁側でぼーっと座って、本と珈琲があればそれで幸せ。それで、とっても幸せ。秋の夜長に、ページを捲ろう。そういえば本ではないけれど、映画で。「水は海に向かって流れる」がとてもよかった。流れゆくままに、愛のままに。

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Yuuri
見に来てくださりありがとうございます^^これからも心のままに、言葉を大事に、更新を続けます。サポートいただけたらとてもうれしいです!