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ENDER LILIES(エンダーリリーズ) クリア感想

 PS4版にてクリアしました。一応、トロフィー獲得は難しくなかったので全部取れました。2周目する予定はなし。

 私自身がメトロイドヴァニアというジャンルで最近やったのは、メトロイドドレッドが記憶に新しく、メトロイドシリーズ以外の他作品はあまりやってないかな。

 雰囲気ゲーと言われるだけあって個人的にとても良かった。ストーリーで語られることは必要最低限、しかしBGMも相まって映画の余韻に浸るような気持ちでエンディングを迎えることができました。それにしても、何でタイトルのカタカナ表記をリリーズにしたんやろ。

 それではレビュー。


難易度はどのくらいか?

 始めに、このゲームはメトロイドヴァニア×ソウルライクとされており、難易度選択はなく戦闘は歯応えあるものでしたが、個人的に難易度は易しい分類になるかと思いました。ここは切り分けてレビューしようかと思います。因みに、あくまで1周目の話です。

戦闘

 通常攻撃というものはなくスキルを駆使して戦闘に臨み、最終的に20以上手に入れられるスキルの中から3つを×2セット組み合わせて、自分なりの戦闘スタイルを確立していくことになります。おすすめ定番スキルというのは当然ありますが、探索するステージの敵に合わせて変更することが度々あるので、使わなかったスキルはあれど無駄なスキルというものはあまりなかった印象でした。

 敵の攻撃をかわしながら一撃必殺の攻撃スキルにするか、動作の早い攻撃スキルにして先手を打つかを考える楽しさがあり、また一対複数の乱戦になったときは近づくよりも有効になるのが遠距離攻撃スキルや設置型攻撃スキルなため自分の戦闘スタイルを変えたりと、自分の好みや戦場に合わせてスキルの付け替えをするのは面白かった。

 通常の敵のバリエーションは豊富で、特に攻撃モーションでの使い回しはあまり見られず、1体につき2~3つほど攻撃パターンがある。「またこの敵かぁ」みたいな感想はあまり出てこなかったが、これはステージの雰囲気に合った敵が配置されているのが大きいのかもしれない。城なら兵士や竜、カタコンベなら蜘蛛や虫といった感じで。

 ボス戦も様々なバリエーションがあり、例えば攻撃スピードが速いボス相手には近距離攻撃スキルよりも遠距離攻撃スキルや設置型攻撃スキルを置きつつ自分は逃げ回る方が有効だったり、その正反対でパリィやカウンター攻撃スキルを駆使して近距離攻撃スキルによる自らの腕前で倒すのが有効だったりと様々だった。ボスの数も結構いるので楽しめました。

おま、さっきまでガンガン迫ってきたのに急にビームて、ギャー!

 この相手によって攻め方を変えるという、何度も死にながら敵の行動パターンを覚え、有効なスキルや回避手段を模索するのは死にゲーらしいトライ&エラーであり、私も道中それなりに死にました。パリィやカウンター攻撃スキル以外で無効化できない遠距離攻撃を持つ敵に弾幕張られたり、空中から広範囲になぎ払う攻撃をする敵複数に囲まれた時の厳しさや、ごく稀に閉じ込められて強制戦闘させられタコ殴りされる苦しさといったら。たまに逃げるが勝ちな面倒な敵もいたりするしね。

ボコボコにされてます

 何も考えず攻撃や回避ボタンを連打してたらいいとは言えず、気を抜けば死んでしまう難易度ではあるので、少なくとも戦闘は楽とは言えないかなと思います。ただ、今作はレベル制が採用されているので、主人公とスキルのレベルを上げれば難易度が下がるようになっており、また最低3回は体力の回復ができる救済措置もあるため、結果的に気持ちは楽になったかな。

ペナルティ及びリトライ

 次に死んでしまった後の処理。

 例えば、他作品でのペナルティはゲームオーバーになったら所持金であったり集めたアイテム等が没収されるゲームがあります(私は精神衛生上と~ってもツラいのでもう2度と、絶対にプレイしたくありません)。また、リトライならゲームオーバーになると直前に訪れた場所であったり、セーブしたところからやり直しなどがある。これらが難易度を大幅に下げてる要因となってました。

 まず、本作にペナルティは一切ありません。何度負けても所持品は没収されませんし、レベルや何かの数値がマイナスに変わることもありません。

 次にリトライですが、最後に訪れたレストポイントと呼ばれる場所からとなってます。レストポイントはセーブやスキル・装備の付け直し、体力回復回数の回復ができる安全地帯。リトライ中は、ほぼロードを感じないほどに素早く復帰してくれるので快適でした(PS4の場合)。

一休み中

 このレストポイントがかなりこまめに設置されており大抵は2~3エリア、長くても4~5エリア進むごとにあるので、頑張れば死ぬ前にレストポイントにたどり着く、もしくは強引に避難することができる親切設計となっていると感じました。

ステージトラップ

 これは例えば、暑さや寒さで徐々に体力が削られたり、穴に落ちた先に針山があり刺さると即死だったりと、スーパーマリオシリーズのようなステージギミックによるダメージですが、本作はほぼありません。終盤に体力が徐々に削られるステージがありますが、高いところから落ちようが落とし穴に落とされようが体力が削られることはないので、戦闘と探索に集中できるようになってます。

で、要するに?

 死にながら攻略するだろうことから、戦闘の難易度は高めではあるが、戦闘以外で体力を削られることは終盤までなく、また細かく設置されているセーブポイント、死んだ後のペナルティが一切ない状態でリトライできることから、総合的に難易度が下がる親切設計・快適仕様のゲームとなっていると思います。ただし、2周目の難易度は私自身が未プレイであるため分かりません。

ストーリー

 死の雨によって人々が凶暴な生ける屍・穢者(けもの)となり果ててしまい、それらによって滅んだ国が舞台。そこで目覚めたのが、浄化の力を持つものの記憶を失ってしまった少女・リリィ。彼女と最初の同行者である黒騎士とともに国を脱出するために各地を巡り、後に真相を知ることとなるのが大まかなストーリー。

 ゲーム中で語られるストーリーは、途中で出会う重要人物によって語られる独白からと必要最低限、そして道中で手に入るTipsによって得られる文字情報によって補足されるようになっている。

 これだとストーリーは淡白に思うかもしれないが、語られる内容は悲劇や惨劇であり、その重要人物がいかにして穢れに立ち向かったか、どのような悲劇の引き金を引く行為を行ったか、それを知った上でリリィの旅の同行者となるので、感情移入や愛着が持ちやすいようになっている。攻撃スキルを使用すると姿が顕現するのがいいんだよな。

 そして、雰囲気ゲーといわれる所以として静なメロディと、独白が語られる際のモノクロ基調のムービー、多くを語られないため想像力をかきたてられるストーリーが上手くかみ合い、それらが物寂しさや悲壮さを演出しているために画面の中の世界に浸れるところが良い。

 ちなみにTipsが良い補完となっており、世界の仕組みや国が滅ぶ前の出来事、果ては本編では詳しく語られない主人公のことなどが解明されるようになるのだが、ここはやり込み要素になるので気になる人はぜひやり込んでほしいところ。

探索・収集要素

 探索難易度としてはおそらく易しい。メトロイドシリーズでは無念にも全マップ踏破及びアイテム回収ができなかった私が達成できるくらいなので、私はそう思っている。行けないところは、現時点で持ってるスキルでは無理と判断できることがほとんどだし、どこに隠し部屋があるかは大抵は目印となるヒントが見えたりと親切設計。ごく稀に攻略サイトを見ないと独力では分かりにくかったり、プレイヤーの腕前が足りないとたどり着けないところもあったが、それらは両手で数える程度かと思う。

 他にもアイテムやTips等の収集難易度も易しい。スキルを駆使して隅々まで探していれば、困る場面は少なめかと思う。制作者による意地悪が少ないため、逆に人によっては物足りないと思うかもしれない。

音楽

 静かで美しい。環境BGMのように思えるが、よく聴くとメロディはしっかり作られているので、効果音が控えめなこのゲームでは耳に残りやすい。限定のパッケージ版を買って正解だった。

 音楽担当はMiliというグループで、私はアニメのゴブリンスレイヤーのOPで初めて知ったグループだったなぁ(このOPも凄く気に入ってます)。というか、Miliてグループ名だったんか。

総評

 戦闘はトライ&エラーが必要なくらいに歯応えがあるが、それ以外は初心者に優しい親切設計となっているので、メトロイドヴァニアというジャンルにおいては万人におすすめしやすいタイトル。ストーリー重視する人には、物静かな雰囲気に映画のような余韻が好みの人には合うのではと思う。リリィのモーションはかわいいから愛着も持ちやすいし、仲間も個性的なビジュアルだからわかりやすいかな。

 インディーゲームなので比較的低価格で購入できる。興味ある方は買って損しないかと思います。

クリア時ステータス等
ゲルロッドの攻撃スキルには大変お世話になった

 ちなみに、プレイ時間はPS4をスタンバイモードにするのが面倒で、30分から1時間はつけっぱなしにしてたりしてるので、あまり当てにしないでね。


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