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母に突き放された一言が、心のシコリになっていたと気づいた時
現在私は、月の半分ずつを東京と地方で暮らす二拠点生活をしています。
なんて書き方をすると、自由に暮らしている印象を持たれると思いますが、私は2年前に「横断性脊髄炎」という病気になりました。
それまで病気一つしたことがなかった私でしたが、突然お腹がチクチクと痛み出してから、あれよあれよのうちにその痛みが胴回り全体に広がり、歩行困難になってしまいました。
東京の病院で検査をしても、救急車で運ばれても、原因を発見することはできなかったので、思い切って私の地元がある地方の神経系の総合病院で診てもらうことにしました。
そこに至るまでは不安との戦いでしたので、最後の望みをかけて夫に付き添われて総合病院の門をたたきました。
問診の段階で先生は
「脊髄炎だと思われます。ほぼ間違いないとは思いますが、詳しい検査をしましょう」
と言いました。
私はそれまで、聴いたことがない病名でした。
(私は胴回り全体に痛みが広がったので「横断性脊髄炎」ともいうそうです)
2日間にわたって詳しく検査を行い、結果はやはり「横断性脊髄炎」でした。
すぐに入院をしてから、約1年半のリハビリと療養生活を送りました。
おかげで今は、日常の生活も十分にできるくらいに回復をしました。
現在は月に一度の診察や、高齢の両親の介護もあるので、地方と東京を行ったり来たりの生活をしています。
昔からあるシコリがお金系認定講師になるきっかけに
私は病気になる前は、副業から始めたお金に関する協会の認定講師をしていました。
副業は他にも不動産投資を始めたばかりでした。
この頃の私は、不動産投資の勉強をするために学校へ通っていました。
休みの日や会社帰りに時間ができると、興味のあるセミナーへ積極的に参加をしたりと、働いている時間と家事をしている時間以外は、ほとんど勉強やセミナーの時間にあてていました。
ある協会が開催したセミナーに参加をした時に、私はずっと昔から心の奥にあったシコリを思い出しました。
結婚した翌年に出産、更に翌年にはマイホームを購入
私は23歳で結婚し、翌年に上の子を出産しました。
そして、子供が1歳を迎える直前にマイホームを購入しました。
それは、貯金もない新婚夫婦が購入するには、とてつもなく大きな買い物でしたが、田舎では結婚をして子供ができたら自分の家を持つことは当たり前の流れでした。
子供ができて入った生命保険は家計の重荷に
子供ができてからは、夫や私に万が一のことがあったことを考えて、しっかりと保障が充実した生命保険に入りました。
その保険料は夫婦二人合わせて30,000円超えのものでした。
「仕方ない」と考えていましたが、私が産休に入ると、この保険料は家計の重荷になりました。
それでも「万が一の安心料」として、払い続けていました。
産休後、会社に復帰
産休から復帰をして、子供を実家に預けて再びフルタイムで働き始めました。
子供を妊娠してから、夫とは住宅購入の話を度々していました。
当時住んでいたアパートは便利もよい場所で、私の実家からも近い所にありましたので、その近辺でいろいろ物件を探していましたが、高額で手が出ないと半ば諦めかけていました。
しかし、「これだったらなんとか払えそう」という物件が出てきたので、直ぐに購入しました。
それからはとんとん拍子で話が進み、子供の1歳の誕生日を新しい家で迎えることができました。
勤めていた会社が傾きはじめ、仕事を辞めざるを得ない状況に
ところが、私が勤めていた会社が傾きはじめ、結婚をして子供がいる女性から会社を辞めざるを得ない状況になってしまったのです。
私は新卒で就職をした時に、結婚後も働きたいと思っていました。
しかし、新卒で入社した会社は、寿退社をしなければならない会社でした。
その当時は、寿退社は当たり前、結婚をしてからの転職はなかなか難しいといった、結婚をしても働きたい女性にとっては、結婚が不利になる時代でした。
なのでその前にと思い、結婚をする数ヶ月前に転職をしていました。
なのに・・・
ショックでしたが、現実を受け止めるしかありませんでした。
母に相談した時の意外な言葉がずっとシコリに・・・
そんな中、2人目を妊娠したので、ますます社会復帰が難しい状況に追い込まれました。
家のローンと生命保険の支払いは、家計の支出にずっしりと根を張っていました。
「こんな時は、みんなどんなふうに家計のやりくりをしているんだろう」
と疑問が湧きました。
先ずは母にやりくりのことを聞いてみましたが、母からの返事は
「お金のことは親子でも話はするもんじゃない。私もあなたのおばあちゃんからそう教わった」
という、意外な答えでした。
「お金のことは口にしてはいけないのか、でも誰かに教えて欲しい」
と強く思いました。
夫に相談しても、話を聞いてはもらえず
数字に強い夫にも相談をしましたが、
「お前に全部任せているんだから、俺にお金の話をされても困る」
という返事でした。
急に孤独になった気持ちでいっぱいになりました。
「みんなはお金のことで悩んでいないのかな、きっと私のやりくりが悪いんだ…」
と、その時は思いました。
このままではいけないと行動をしてはみたが・・・
「悩んでいる場合ではない」
と、気持ちを切りかえて行動をしました。
そして、地元のフリーペーパーに出ていた「節約術無料講座」に参加しました。
参加者は熱心に聴いていましたが、私にはとても気持ちが沈んでしまった講座でした。
なぜなら、
水道の蛇口から出す水は、チョロチョロ出すとお金がかからないから時間をかけて洗い流す
寒い時は窓ガラスに発泡スチロールを隙間なく貼る
トイレのタンクには水を入れたペットボトルを入れると、その分水道代がうく
米の研ぎ汁は水の代わりに植物にあげたり、床を拭いたりするとワックスがわりになる
寒い時はストーブかこたつのどちらかで過ごし電気代を浮かせる
というような講座で、それらを実際にやっている人達の発表もあり
「今月は2,000円浮きました」
「私は今月は3,200円浮かせました」
「米の研ぎ汁で顔を洗いました」←これは私もやりました
というような内容でした。
この時私は、
「女性は結婚をして子供を産んで、子育てで大変な時期なのに、どうしてこんな切ない思いをしなければならないのだろう」
と、とても強い疑問が湧きました。
母の一言や夫の協力を期待できないことがきっかけとなり
母から言われた言葉は私に「親に相談はできない」という気持ちを植え付けました。
そして、夫の協力も得られなかった時の孤独な気持ちや、この時に受講した講座を今でも時々思い出します。
この時の私は、本当に孤独でした。
それでも、可愛い我が子が目の前でニコニコしていると、
「この子にもこんな寂しい思いはさせられない」
と、踏ん張るしかありませんでした。
誰にも相談できずに、母から言われたことを受け止めて、小さな子供を抱えながら悩んでいたことがずっと心の奥のシコリになっていました。
セミナーに参加をした時に、この時のことが蘇りました。
この頃の私のように、悩んでいたり孤独に感じている人のお役に立てればと思い、お金に関する協会の認定講師になったのが「お金に対する知識を深め伝えていきたい」と思ったことの始まりでした。
私の発信が昔の私のような人をはじめ、お金のことで悩んでいる人達のお役に立てますように。