凡人ビジネスパーソンの下剋上スキル「編集力」を磨く3つの方法
ビジネス界隈で「編集」という言葉をよく耳にするようになった。きっとそれは幻冬社の箕輪さん、コルクの佐渡島さん、NewsPicksの佐々木さんという影響力をもった編集者の台頭によるものだと思われる。この編集力こそが、これからの時代に必要であると佐渡島さんが下記のように語っている。
なるほど・・・と言いたいところだが「編集力」と言われてもどうしても「優秀な人たちの持って生まれた能力」「出版社出身者の特殊スキル」だと他人ごとになってしまう。そんな中、救世主が現れる。
嘘だ!?というツッコミが聞こえてくる。いや確かに僕も思った。でも違った。これから救世主がくれた3つの方法を使えば、編集力は鍛えられるのだ。その場にいた僕たちはそれを目の当たりにした。
あっ紹介が遅れた。その救世主の名は桜川和樹さん(LINE株式会社、NAVERまとめ編集長)だ。実際、桜川さんは出版社出身ではなく、技術を磨いていくことで今の立場に立たれている。努力の人かと思っていたのに、最強のDNAを持っていたジャンプの主人公たちとは違う(笑)
あらためて「編集力」とは何か。それは世の中に溢れた情報やコンテンツを組み合わせる力だ。分かりやすいのは、音楽業界におけるDJだ。何千何万と溢れた音楽コンテンツを探し、繋げて、mixテープとして提供している。音楽業界においてオリジナルソングを作る作曲家よりも演奏するアーティストよりも曲を組み合わせるDJが一番注目され、一番稼いでいる。組み合わせる力は、それほど価値があるのだ。
今回はその桜川さんが提唱する組み合わせ術を紹介する。
「たくさんの人に見てもらうための組み合わせ術」
コンテンツを届ける上で、たくさんに人に見てもらうことは間違いなく重要なこと。実は、多くの人に届けるための組み合わせというものがある。
まず、たくさんの人に届けるためには、やはり身近であることが大事。身近とは、マーケットサイズで比較してみると良い。たとえばこちら。
たくさんの人に届けるためには、多くの人にとっての関心ごとをテーマにすること。当たり前だとは思いつつも意外と出来ていないことが多い。きっと会議で盛り上がるのが、どうしても題材が尖った(ニッチ)なものになりがちだからだ。尖らせるのは、題材ではない。
そう、意外な切り口ってのがポイント。身近な題材に対して、当たり前のことを言っても誰も興味を示さない。だからこそ切り口が問われる。これをよく表現しているものを紹介する。
うん、なるほど。でもこれって生み出すのが難しそう・・・と思ったそこのあなた!救世主桜川さんの存在を忘れてやいないか。この意外な切り口には、ちゃんとフレームワークがあるのだ。
おー!!これなら何とか出来そうだ。あとは練習あるのみ。
ただ、この意外な切り口ってやつは思い浮かんでも実現することがわりと難しいとのこと。たしかに・・・え?じゃあどうするの?ってことで、次はもっと堅実な方法を紹介する。
「再現性の高い組み合わせ術」
再現性を高めるために、そもそものコンテンツの役割をまず整理する。
ふむふむ。たしかに、その3つで大別出来そうだ。次に、この3つの役割を果たすために受け手がコンテンツに対して何を欲しているかを理解する必要がある。それがこの人間の興味の源泉となる6大欲求だ。
へぇー!おもしろい!実際、自分が見てしまうコンテンツはこのどれかの欲求に当てはまる。そして、これらの6つ欲求と先程の3つの役割は相性の良い組み合わせがあるとのこと。またある程度、型となる方向性の例もあるので一緒に紹介する。
おー!わかりよい!今まで自分が企画してきたものやバズっている記事なども分類することで理解が進むので良いかも。
ってこんなの公開して良いのか!?というレベルの組み合わせフレームワーク。このフレームワークを意識して、たとえば記事コンテンツのタイトルだけでも作ってみると良い練習になるので挑戦してみましょう!(実際、セミナー中に受講生たちが良いタイトルを量産していてビックリしました)さぁ次が最後の組み合わせとなる。
「コンテンツ✖️媒体特性」
いかに良いコンテンツを作っても相手の受け取るシーンによって、無価値にすらなるのが今の時代。コンテンツがプレゼントだとしたら、プレゼントの渡し方にもこだわろうってことです。その届け方の中心が「スマホ」になったことは頭に入れておかなきゃいけない。
スマホになったことで、人が受け取る情報の量が格段に増えた。増えたからこそ、情報に対する取捨選択スピードも早い。デバイスの特徴としても雑誌は読み飛ばしながら読むことが出来るが、スマホは読み飛ばしが難しい。つまり今までと同じような表現の仕方をしていたら「読んでもらえない」のだ。日本人特有のダラダラ話して結論を最後に言うが通用しない。
特に、スマホはそもそもコミュニケーションデバイスである認識が必要であり、コミュニケーションを設計する必要がある。コミュニケーションとは「アクション✖️リアクション」とのこと。たしかに新R25のような聞き手が相槌を打ったり驚いたりといったリアクションが入った記事が増えている。これこそがコミュニケーション設計とのこと。
スマホの画面操作を意識し、どうやれば読みやすくなるのか、読み進めてもらえるのかを考えることはこれからのコンテンツを届けるためには必須と言える。ただ、雑誌の時代と違い「データ分析」が出来るところが救いだ。思考を巡らせ、検証を繰り返すことで、間違いなく改善が出来るのだ。
なるほど・・・要は一方的な発信ではなく、今まで以上に受け手の気持ちを考えろってことですね。そのためにも「流行っているものを見る!使う!」ってのも大事とのこと。流行っているものは、間違いなく時代を捉えて、多くの人の心に刺さるものがあるという。んー好き嫌いしている場合じゃないな。勉強になります。
さて、以上が「編集力」を磨く3つの組み合わせ術となります。いかがでしたでしょうか。きっとこれはビジネスパーソンであれば、さまざまなシーンで活躍するでしょう。
ただ、ひとつ覚えておく必要がある。あくまでこれは技術論だ。サッカーのドリブル術を手に入れたからといって、サッカーが上手くなるわけがない。やることはひとつ「練習」だ。知的好奇心を満たしても成長はない。「実践あるのみ!」「努力あるのみ!」である。
自戒を込めて、成功者たちの努力に関する名言を大量投下して締めさせていただく。
以上、コルクラボ編集専科第3回レポートならびに編集の練習記事でした!最後までお付き合いくださりありがとうございました。
戸田良輝
追伸
本当に良い学びとなりました。桜川さん本当にありがとうございます。このような良い機会を作っていただいた佐渡島さんにも感謝です。編集力を磨いて、卒業することが恩返しになるよう精進いたします。
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