荒れた学級を担任して〜言葉のプレゼント&誰もが持ってる一番星!
こんばんは!原田綾子です。
日々、【無条件の愛の教育】を広めようと、愛と勇気とユーモアで講師業・セラピストをしております。
私が以前書いた、崩壊状態のクラスを引き継いだ時のエピソードを書いていきます。
大学卒業後、臨時採用教員をしながら教員採用試験の勉強をし、本採用教員になるまでのこと、なぜ教員を退職し、この仕事を始めたかなどについて、少しずつ記事にまとめています。
・・・・・・・・・・・・
初めて教室に行くと、ドアを入る前から子どもたちの、騒ぐ音、教室内を走りまわる音が聞こえ…
私が前に立っても騒いでいるまま。
指示が通らない。
このクラスは、いつからなぜこんな状態になっていったのか、校長からも教育委員会からも何も聞かされていませんでした。
(何故こうなったかは、あとから保護者からいろいろ聞きました。改めて記事にします。)
それはそれはすごい状態でした。
教室を走り回る。校庭に出ようとする。
机の上で立って騒いでいる…
こんな状態の学級を経験の浅いわたしがまとめられるのか。涙
病休になってしまった前担任は超ベテラン、
私はまだ教師になりたて…。
その学校に赴任して数日しか経っていないのに
「辞めたい・・・」
「わたしには無理だろう」
そんな思いがよぎりました。
でも考えを改めたんです。
私はなぜ教師になったのか。そして
私が辞めたらこの子たちの担任は一体何人になってしまうのだろう。
この学級は私で担任3人目
でした。
そして
自分を勇気づけながら、ある日わたしは、思いっきり笑顔でこう言った。
「みんなぁ~~!自分の一番星、知ってる?」
シラケた顔をしてヤジを飛ばして来る子がいる。
バカにしたように笑う子もいる。
でも私は見た。
いつもとはちょっと違う表情でこっちを見ている子を。見逃さなかった。
そして、騒いでいる子に注目をせず
静かに座ってこっちを見ている子をほめた。
(この時は、わたしはアドラー心理学を知らなかったのですが、試行錯誤しながら、どう関わると子どもたちがやる気を出すか研究していました)
そしてこう続けた。
「ねぇ、これからみんなに自分のよいところを
見つけてもらおうと思うんだけど。
みんな一人ひとりキラキラ光る1番星を持っているんだよ!
」
「はぁ?そんなん ねぇ~よッ!!」
斜に構えた男の子。完全に挑発している。
でもその手には乗らない。
挑発して来ても私は闘わない。
私は 紙を配った。
【言葉のプレゼント】と書かれた紙を。
そこに自分のよさを書いてみよう、と。
すると
「書けないよ、私は成績も悪いし足も遅いし・・・」
そう言う女の子。
そこで私はこう言った。
「じゃ、先生の自分の好きなところ書くから見てて!!」
後ろを振り返り黒板いっぱいに自分のよさを書いた。
たくさんたくさん黒板いっぱいに書いた。
子どもたちは、いつの間にか静かに、全員席に座っていた。
それでもわからない、という子がいたので、わたしは一人ひとり、前から席順に、子どもたちの「よさ」をどんどん言っていったのです。
「休み時間元気に遊んでいるね!」
「笑顔が最高だよね!」
「動物に詳しくてすごいね!」
「声が大きくていいね!」
「字がきれいだよね」
・・・・のように。
いつも見ているよ。
きみのよさ知っているよ。
わたしは、みんなの味方だよ。
そんなことが伝わったらいいな、と・・・。
このとき私は思ったんです。
子どもたちの瞳を見ながらそう思ったんです。
「どぉ?見つかったんじゃない?
先生、君たちのこともっと知りたいんだ。」
子どもたちは鉛筆を走らせ始めました。
気づくと全員が静まりかえって懸命に書いているんです。
私は 嬉しさと これからこの子たちと過ごしていけるワクワク感でいっぱいになって嬉しくなったのでした。
子どもに「よさ」を伝えていくこと、
誰にも「輝く一番星」があるということ、
それを伝え認めることが大事
なのだと思いました。
あとから、アドラー心理学の「勇気づけ」に出会うのですが
困った行動をする子どもは、勇気をくじかれている子。
つまり、彼らには「勇気づけ」が必要だったのです。
植物が水や光を必要とするように
子どもに必要なのは、勇気を与えること。
困難を乗り越える力=「勇気」
子どもたちは真剣な表情で自分への【言葉のプレゼント】を書いていました。
書きにくい子へは私が伝えて・・・
すると、目をキラキラさせて、ある子が
前にやってきて、私にこう言いました。
「ね、先生!紙もっともらっていいですか?」
嬉しかったです。
そして更に・・・
「先生!友達にも言葉のプレゼントしていいですか?」
ウレシイ・・!!!
私はこう言いました。
「隣の席の友達にも言葉のプレゼントしよう!」
途中、私は印刷室へ走るほど紙はどんどん無くなっていきました。
全員が書けたらみんなの前で発表します。
子どもたちは照れながらも嬉しそうに自分の一番星を発表し聴いている子どもたちからは自然に拍手が起こっていました。
そして、ひとつだけお願いをしました。
前に出て喋るのはとても緊張する子もいるし苦手な子もいる。でもそれはそれでいい。
失敗したって小さな声だって一生懸命やればそれでいい。
先生と一つ約束をしてほしい。
人の失敗をバカにしたり人の心を傷つけることは許されないということを毅然と伝えました。
さっきまで「書く事なんて ねにもねぇよ」と
斜に構えていた男の子も自分のよさを、いっぱい書いていました。
それを当たり前とせず、勇気づけます。
みんな嬉しそうに笑っています。
そして隣の席の友達にも書いたカードで言葉のプレゼント!!
いつの間にか、子どもたちの表情はとても穏やかになっていました。
一生懸命やろうとすればするほど
焦ったり、子どもに結果を求めたり
理想を高く持ったり・・・そうなりがちです。
子どもは教師の鏡。
こちらが焦れば、子どもたちは乱れます。
私は1日が終わると
ノートにクラスの状況を書いていきました。
こうしたら こうなった。
うまくいったとき、うまくいかなかったとき・・・
こうやっていくとよくわかります。
もちろんいつも笑顔で、なんて不可能でした。
うまくいかないことも多々あり、
自分の力不足に直面し、
帰宅途中、車を運転しながら
涙が止まらなくなってしまったことも・・・
でも
どんなことがあっても
子どもたちの無限の可能性をを信じてみよう!
そして自分自身の可能性も信じてみよう!
そんなふうに思ったのでした。
そして毎日の私の子どもたちへの言葉がけと
子どもたちの様子をノートに書き留めていくと
ある法則が見つかったのです。
~続く~
自分が嫌いで自信なくて心壊して真っ暗闇の子ども時代。だけど、それは教育と心理の道に行くために、苦しい時代を過ごしたのだと今なら解る。
辛かった過去は、使命に生きるための贈り物。
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