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ロンドンの思い出 その1

初めての海外旅行はロンドンだった。
初めての飛行機。一人旅。

当時、大学生を中心とした海外のバックパック旅行ってのが流行ってた。
私は高校を卒業してすぐ就職したから、自由な学生の自由な旅行に憧れた。
大きなリュックを背負って、何ヶ月も飛行機や汽車を乗り継いで複数の国を周る。

バックパックを学生の時に経験した会社の同僚から話を聞いて、ますますその気になった。友人を誘うことも、確か考えたけど(この当たりあまり憶えてない)1人で行くことに(今振り返るとゾッとする)決めた。
ただ、やはり女ひとり。入社5年目。学生でない、会社も1週間しか休みが取れない。
同僚の助言・・・「ロンドンだったらいろんな人種が集まってるし、短い期間でたくさんのものが感じられるはず。比較的治安もいいしね」ってな理由でロンドンに決めた。

「地球の歩き方」
流行っていたガイドブックを買い、到着した1日目と2日目の予定だけを立てた。あとは現地に入ってから気ままに決めよう。きっと友人もできるだろうし。
ベット&ブレックファースト(B&B)といって、学生寮のような感じの安いホテルが、ロンドン市内にはいくつかある、そこに泊まろう。地図を見る、よし2日目以降はこのB&Bが良い。
さすがに着いたその日は時間も遅いし、日本からホテルを予約しておこう。
こんな感じの旅行は当時、リクルート社が扱っていると聞き、そこで行きと帰りのチケットと、1日目のホテルを予約した。係の女性が言った言葉、「日本に戻ってきたらきっと外国がすぐ隣りにあるような、すごく身近に感じられますよ」
今でも憶えている。

出発当日
新幹線で東京まで行き、そこから成田空港へ。なんせ空港自体初めて。事前に教えてもらった通りカウンターに行き、ボーディングパスをもらい荷物を預ける。ここまでは予習通り。心臓ドキドキ。
いよいよ搭乗。
飛行機は「Aeroflot」アエロフロート 旧ソビエト連邦の航空会社。
今思うと、なんでわざわざこの航空会社を選んだんだ???
同僚が言ったメリットは2つ。安くて早い・・・どっかで聞いたフレーズ。
そもそも当時は東西冷戦下、社会主義のこわ〜い国。その領土の真上を飛べるわけだから、そりゃ早いわね。
そして・・・「妙な匂いがするんだ、機内が」ん?なんだそれ???
機内に乗り込んで、同僚の言ったことが速攻理解できた。うん、妙な匂いだわ。
うーん、思っていたより機内が狭い。ほんとに飛べるのかなぁ、だんだん不安になってきた。
無事、離陸。無事でなければ困る。
スチュワーデスさん(今はCAさんだね)ってみんなニコニコしてるんじゃなかったっけ?なんでみんな無愛想なの。
しばらくして機内食事タイム。これも予習済、「ビーフorチキン?」味は中の下。
窓の外の遥か下を見てみる。ジャングルみたいな広大な原野が広がっている。でもこれも定かな記憶ではない、そんな感じ。
目的地のヒースロー空港までに、モスクワでトランジット。
モスクワ到着。(シェレメーチエヴォ空港、記憶が曖昧なので調べた。当時のモスクワの空港で主に国際線の発着していたのがこの空港とのこと。きっとここだと思う)
明らかに成田とは違う、しーんとしていて薄暗い。だだっ広いフロアーに宣伝広告が全くない。人もまばら、いやほとんどいない。ベンチに座る。売店でも行こうか、ここも薄暗い。お土産品らしきものが置いてあったが、買う気がしない。
出発時間まで待つ。向こうから兵士らしき2人、肩に銃を抱えて平行に並んで歩いている。
これが東側の国、空港なんだな。寒くはないけど冷たい空気を感じながら搭乗口に
向かった。

ヒースロー空港へ
機内の隣の席に座っていた人と、この時初めて会話をしたんだろうか、うる憶えだけど。日本人で私より若干年上の男性。イギリスでは何を? 私「ロンドン観光です」
彼「ウインブルドンテニスを見るんです」ほぉ〜なんかカッコいいな。
勝手に、海外旅行のスペシャリストを目の当たりにして、なんだか気遅れした感。
私もこれからはもっともっと! 始まったばかりの飛行機の中で、気が高まる。
そして、ヒースロー空港に着いた。

次回へ続く。

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