父の虐待がはじまるきっかけ
虐待サバイバーのゆうかです。
父の虐待が始まると、人格が変わったようになりました。
普段の優しい父の表情はガラリと変わりまるで知らない人になるんです。
今思うと、父は二重人格だったのではないかとさえ思います。
虐待が始まるきっかけはいつも大したことではないんです。
私達姉妹は怖い父に育てられたので、悪いことは一切しない、いわゆる「いい子」でしたから、怒られる理由のある子はいなかったのです。
だから、父は
「ご飯が柔らかい」
「食卓にお手拭きが出てないのに箸を先に
出すな」
「お茶が出ていない」
「ヘアピンが落ちていたが誰のだ」
「トイレの電気を消し忘れていたが誰だ」
「洗面所に落ちてたこの髪の毛は誰のか」
「内股で歩いている」
「玄関の靴の置き方が悪い」
「勉強中の姿勢が猫背だ」
などの本当に小さなことがきっかけで、虐待が始まるのです。
ただ、きっかけはあくまでもきっかけで、子供の私にはよくわかりませんでした。
父の虫の居所が悪ければ、私達がどう努力しても無理でした。
それでも、父の虐待から逃れるために私は最大限の努力をしました。が、全く無駄でした。
父の機嫌を伺うことくらいしかできませんでした。
そして、私はいつしか、人の顔色を伺って、たとえどんなに理不尽でも相手の期待に答えることに全力をそそぎ、何事にもひたすら努力してとにかく頑張って生きていくことが、私のデフォルトになってしまったのです。
いくら努力してもいくら頑張っても、どうにもならないことがあるという現実を知るのは大人になってからですが…
今思えば、幼少期からいくら頑張ってもどうにもならない現実の中で生きていたのです。
誰かの期待に答えることに心血を注ぎ、ただただ頑張ることでしか生きられない人間の出来上がりです。