父は覚えていない
虐待サバイバーのゆうかです。
私は生まれて間もなくから、20才を過ぎるまで虐待されていました。
小さな頃から、様々な虐待をされていました。
私は後に解離性同一障害になりましたので、虐待の内容について、全てを覚えているわけではないかもしれませんが、自分が受けた屈辱や苦痛や痛みや悲しみの数々を、ハッキリと覚えています。
父は私が解離性同一障害になった私を見た時に、自分の虐待が原因だと泣いて私に謝りました。
その後も、時々謝るのです。
初めのうちは、謝ってくれるだけマシかとも思いましたが、父が話す、父の記憶している内容は、いつも大した話じゃないのです。
小さい頃の私が、手を振りながら父を追いかけて転んでしまったのに、仕事に行くために、抱き起こしてやれなかったとか、ちょっと厳しくしすぎた…
みたいなことしか言わないのです。
覚えているのにわざと言わないのか、本当に忘れているのかは定かではありませんが。
父の頭の中からは、私を怒鳴り付けたこと、殴り付けたこと、叩き続けたこと、水風呂で水攻めにしたこと、包丁を突きつけたこと、柱に縛り真夏に1日放置したこと、性器を気持ち悪い手付きで洗ったこと、包丁を持って追い回したこと…そんなことは、すっかり抜け落ちているような気がしてならないのです。
よく「いじめ」は、いじめられた側はハッキリ覚えていて、いじめた側は、それを覚えてないと言われます。おそらくそれと同じかもしれません。
父が、私にしたことの詳細を覚えていないのではないかと、気付いた瞬間は愕然としました。
けれど、今はもうそれすらどうでもいいのです。
父に私の苦しみをわかってもらおうとは、もう思いません。
ただ、やはり悲しみが残っています。