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暴力で心までは服従できない
虐待サバイバーのゆうかです。
父は私達を暴力と暴言で支配していました。私が生まれる前から、母はDVを受けていましたので、私は母のお腹にいるときから、虐待をされていたと思っています。
だから、産まれた瞬間から私は恐怖の中にいました。
そして、小さい頃から、身体的虐待・心理的虐待・性的虐待・ネグレクトを受けていましたので、支配されている状態がデフォルト、つまりそれが日常でした。
そんな私たちに、父がよく言っていたことがあります。
父はよく言っていました。
「暴力で人を完全に服従させることはできないんだぞ。拷問されようが何されようが、心は誰にも支配されることはないんだ、覚えとけ!」
ナチスドイツに囚われていたユダヤ人も、拷問で身体を支配されていたが、心だけは誰にも支配することはできない、信念さえ持っていれば、心を支配されることはない、心は自由でいられるのだと。
また、キリスト教徒が迫害された時も、踏み絵をさせられたキリスト教徒たちが、たとえキリストの絵を踏んだとしても、信仰だけは、どんなことをさせられても、その本人の意思によるものだと。
よくこの話は私はすごく印象に残っていて、とても感銘を受けたのです。
でも!!?
あれ?
今私は父から虐待を受けている。
その父からそのアドバイス…
どう考えてもおかしいですよね。
父は自分で私達を虐待しながら、虐待されてる私達に向かって心を強く持てってどういうこと?
私の心はそんなに強くありませんでした。
私の心は普通に壊れました。
いまだに壊れたままです。
小さな子供に信念なんてなかったのが当然で、虐待されれば心が壊れるのは当たり前です。
でもこの壊れた心にはたくさんの思いが詰まっています。この私の思いと、苦しかった体験とが、いつか誰かの役に立てますように。