母にかばってもらえない

　虐待サバイバーのゆうかです。

　父に私達姉妹が殴られている時
　母は私をかばってくれませんでした。

　母も一緒にDVされていたので仕方ないとも思えますが、これには理由があるんです。

　例えば私が父に掴まれて殴られている時に、母が私をかばって間に入ってくれたことがありました。

　その時のことをはっきり覚えています。　　　
　母にかばってもらってとても安心しました。

　しかし、その時、父は意外な行動に出たのです。

　間に入った、母ではなく、私への暴力をさらに強めたのです。母がどんなに私に覆いかぶさってくれても、隙間から私をさらに強く殴るのです。

　母はその後も何度かかばってくれましたが、同じことの繰り返しで、母は自分がかばえば、余計に子供が辛い思いをする、と絶望したのではないかと思います。

　その後、母は子供をかばうことをやめてしまいました。私達がどれほど痛めつけられても、どれだけ泣き叫んでも何もしてくれなかったのです。

　母は私達以上のDVを、父から受けていて、首を絞められたり、顔を殴られて大きなアザを作ったり、朝起きたら母の顔が大きく腫れていたこともありました。

　だから、母も普通の精神状態ではなかったんだと、今は理解はできます。仕方なかったんだとわかります。

　でも、私はどんなに殴られてもいいから、いっそのこと殺されてもいいから、母にかばってもらえたほうがどんなに幸せだったか、と思っています。

　母にかばってもらいながら殴られた時のことは、今でもハッキリと覚えています。
　
　母のぬくもりにかばってもらいながらなら、殴られても不思議と怖くなかったんです。殴られることも痛い思いをすることは、もう仕方のないことだと諦めていましたので、そこに安心がプラスされただけです。

　どんなことになっても、母にかばってもらいたかったととてもとても思います。
　
　母にとっても残酷すぎる話なので、この話はできませんが、この文章を書いているだけで涙が溢れてきます。母には決して言わないつもりですが、本当の気持ちは

「なんでかばってくれなかったの！私は何されてもいいから、殺されてもいいから、かばってほしかった！！」

　お母さん、ごめんね。