自分の感情を消すしかない
虐待サバイバーのゆうかです。
私の特技は過剰適応です。
もちろんあまりポジティブな意味ではありません。
過剰適応とは、「ある環境に合うように自分の行動や考え方を変える程度が度を超えている状態のこと」です。
その結果、うつ病やパニック障害などの性心疾患を引き起こしやすいと言われています。
私の場合はまさにこの状態です。
父に虐待されていた私は、無意識に父に過剰適応することで、自分を守ろうとしていたのだと思います。
父は、自分が好きなものを私が嫌いといいことを、許してくれませんでした。
例えば、父が好きではない食べ物を、私が「これ美味しい!!」と言おうものなら、ネチネチとお説教が始まります。
逆もあります。父が大好きな食べ物は、家族全員好きでなければ気に入らないのです。小さな私が思わず「美味しくない顔」をしてしまうと、お説教がはじまります。
「なぜこんなに美味しいものを美味しいと思えないんだ!もったいない💢」と延々と言われ続けるのです。それは、食事を中断し、夜中まで続くこともありました
食べ物以外でも同じです。
父が応援している野球チームを好きにならなければならない、父が好きな女優さん、俳優さんのことは、父と同じように好きにならなければいけない、嫌いな人は嫌いにならなければならないのです。
小さい頃の私は、父の逆鱗にふれてしまうことが度々ありました。
そして、次第に身を守るために、父の好きなものを好きといい、父の嫌いなもの嫌いというようになりました。
ただ、嘘をつくのが苦手だった私は、自分に嘘をつくことは、とても難しいことでした。
私は自分に嘘をつかないようにするために、父に合わせていることを、本当の自分の気持ちにすることにしたのだと思います。
本当は好きでもないのに好きだと思い込み、好きなのに嫌いと思いこむことにしてしまったのです。
父と同じように感じていれば、その件については、虐待から逃れられるのです。
私は、父に過剰適応をすることで自分を守るしかなかったのです。
ただ、それは私から私自身の感情を消してしまいました。
父に合わせているうちに、私は私の本当の感情をどこかにおいてきてしまいました。
自分がどう感じているか、何が好きで何が嫌いか、をないがしろにし、父がどう感じるか、父は何が好きで何が嫌いか、に焦点を当てることに集中しすぎてしまった結果、自分の感情や好き嫌いが、わからなくなってしまったのです。
もちろん、「過剰適応」という言葉を知ったのは、大人になってからですが、まさにこれだ!と感じました。
父から離れた今でも、その癖は抜けず、自分の気持ちや自分の感覚は押し殺して、誰か他の人の気持ちに合わせようとしてしまいます。
ただ、自分の気持ちに嘘をつけないので、押し殺してることすら気付かないようにする術を、身に付けてしまいました。
無意識に自分の感情をなかったことにする感じです。
自分の気持ちを出したら、誰かの迷惑になるかもしれないとか、嫌われるかもしれない、嫌な気持ちさせてしまうかもしれない、そんな気持ちが今でも消えずにいます。
これが虐待の後遺症のひとつです。
ひとつずつ解明していければ、と思っています。