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桜の樹の下には。

桜といえば、あたしにとっては坂口安吾・『桜の森の満開の下』、梶井基次郎・『桜の樹の下には』この2つ。

梶井基次郎の有名な「桜の樹の下には屍体が埋まつている!」
というフレーズには、絶対そうだ!!と納得しているし、坂口安吾の桜はあたしの撮りたいイメージにぴったりなのである。

美しすぎて恐ろしく、不安になる。
静寂と孤独。
何だか胸がざわざわする美しさ。

「桜の森の満開の下」がイメージと書きましたが
このお話に出てくる盗賊の奥さんはとても美しいのです。
でも、ゾッとするような残酷性を持ってて、生首でお人形遊びとかしちゃう人なんですよ。
わかりますか。この感じ。
吸い込まれるほどの美しさが逆に狂気を誘う。

桜は明るくふわりと撮ってるので、まぁ普通に綺麗ですよね。
でも、この満開の桜の森に自分1人だったら。
眩しくて薄眼をあけて。
ザッと風が吹く。
と思ったら、桜の花が迫ってきて、気を失ってしまいそうな気がするのです。

なんちて。

そう思うとこの写真すら、感情のないニコニコ顔の女がすぐそこに迫って来ているように感じる。

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