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プレイヤーズセンタード#10

ユニフォームが間に合わなかったら大会には出られない。
でも、子供たちは楽しみにしている。
何とかしたい。

私はありのままを理事長に相談した。

すると、思いがけない言葉が返ってくる。

「代わりを持っているので大丈夫です!ユニフォームが間に合わなかったら、それを使えばいいですよ!」

この神対応には本当に感激、感謝した。

子供たちに伝えると、
「えっ!」
「うぉぉぉー!!!」
と、跳びながらバンザイをして喜んだ。
休みがちだった子が休まず来るようになった。
他の習い事を優先していた子が当クラブを優先する様になった。

それに備えて私たち大人も理事会に参加した。

当クラブからは私とCコーチ(発起人)を理事に選抜し出席させて頂いた。

この理事会では、本当に子供たちを第1として考えていて、理事1人1人が信念を持ち、発言していた。その姿に私は感動を覚えた。
新参者である私たちの意見も真摯に聞いてくれて、真剣に向き合い、受け入れてくれた。

当クラブの課題はまだまだ沢山ある。
その1つに、大会に出場するに当たり子供たちがラインジャッジや得点など出来る必要がある。
自チームの試合じゃない時は審判になるからだ。
だが、先輩もいない、人数もいない当クラブでは審判の練習も出来ていなかった。

私はこの理事会で、正直に胸の内を伝える。
すると理事全員がサポートしてくれると言ってくれた。
「愛川JVCの子供たちが審判の時には空いている理事が付き沿いで教えながらやりますよ」と言うのだ。

「子供たちは実践していった方が楽しむし、身に付く」と私の意見に賛同もしてくれた。

とにかく全ての言動が有意義でポジティブだった。
「きっと子供たちにもこうやって声掛けしているのだろうな」
と、容易に想像ができるほどだ。
理事の皆さんの指導者としての質の高さを実感した。
そして、自分の未熟さを痛感したのである。

もっと勉強しなくては。

そして、子供たちがバレーを選んでくれた時、続けられる環境を整えなければ。

そう思っていた矢先。

隣に座っていた理事が話し出す。

「今後、中体連の試合にクラブも参加出来るようになるのに先駆けて、うちのコーチが中学生のクラブチームを立ち上げました!まずは女子からです。是非よろしくお願いします。」

そう言って体験会のパンフレットを配布してくれた。私は思わず身を乗り出し「是非、男子チームを!!」とお願いした。

なぜなら第1話でもお話したように地元の中学校には男子バレー部が1つも無いからだ。

もちろんセクションはあるそうだが、まだ4年生。今からしっかり教えて行けば間に合う。
なんとか道を塞ぎたくない。
やり続けたい気持ちを切りたくない。

そんな私の気持ちとは反比例して、突然コロナの感染者数が急増し、蔓延防止重点措置が発令された。
体育館の使用が制限されママさんバレーの練習がなくなった。

地域の小バレも練習が中止になっているらしかった。
もちろん予定していた練習試合も中止。
当クラブは不織布マスクを指定し活動していたが、いよいよ練習を休みにするべきか。

ここで保護者の意見も聞こう。

まずはみんなで話し合わなければいけない案件と思った。
独断で決められるものでは無い。
短い時間で話し合いが進むように事前に話す内容を整理しておいた。

そして、保護者会、当日…。
                                                                つづく。

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