Peter, Paul & Mary「The Very Best of」(1990)
60年代に活躍したフォーク・トリオの心温まるベスト盤
PPMことピーター、ポール&マリー。50代以上の方には懐かしのテレビドラマ「金曜日の妻達へ」の挿入歌を歌っていたグループとしてお馴染みかもしれません。私も未だに「パフ」が理屈なしに好きです。
♪ puff the magic lived by the sea ♪
すっと歌詞が思い浮かびます…。
本作はそのPPMの日本独自のベスト盤。1990年、来日を記念して編集されたもの。ちなみにPPMは1970年10月に一旦解散するも、1978年に再結成。以降現役で活動されておりましたが、2009年に紅一点のマリーが亡くなられてます。
刺激的な音楽に毒されている心は、この手の音楽に安堵感を感じてしまいますね…。
唯一⑪「I Dig Rock & Roll Music」はビートの効いたロック。
ギター2本とハーモニーだけの彼等が、1967年に当時の音楽(サイケデリック)に触発されて作ったPPM流ロック。これにしても騒々しい感じはなく、むしろママス&パパス風コーラスなど聞かせどころ満載のロックですね。
他は所謂フォークソング。ただしPPMはメッセージ色の強い楽曲も多く、侮れない。
例えば①「Leaving On A Jet Plane」。PPM唯一の1969年全米No.1ソング。故ジョン・デンバー作で、サビの歌詞は以下のとおり。
Kiss me and smile for me
Tell me that you'll wait for me
Hold me like you'll never let me go
I'm leavin' on a jet plane
私はジェット機で旅立つところ…。単なる別れの歌ではない。この当時の世相を考えると、ベトナム戦争へ出向く兵士と、その恋人(親)との別れの歌であることが分かります。
この他にも⑯「Cruel War」、ボブ・ディラン作の著名な⑲「Blowin' In The Wind」など聞かせどころは多い。
もちろん⑦「Puff (The Magic Dragon)」もしっかり収録されております。簡単なギターコードですが、素晴らしいメロディ。きっと皆様も聞いたことがあるでしょう。
蒸し暑い夜が続きますが、こういう曲を聴いて夜を過ごすのも悪くないですね。