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Jimi Hendrix「Axis: Bold As Love」(1967)

正月休み明けで、まだ頭がフル回転していない方のために(笑)。

本作はジミ・ヘンドリックスのオリジナルアルバムとしては1967年発表のセカンドアルバム。ファーストアルバムが鋭角的な楽曲が多かったのに対して、本作はジミの懐が非常に深いことを証明するような内容となっております。
(ちなみにAmazonの評で★ひとつの評を投じている方が居られますが、私には信じられません。そのアルバムの評価は十人十色だなと改めて思ってしまいました。)

イントロの①「Exp」、ラジオステーションExpのジングルのような・・・、それに続いてラジオの周波数を合わせるようなノイジーなギター音。コンセプトアルバムのような印象を受けるスタートです。
こんな荒々しいスタートだから2曲目はよりハードなギター音が・・・と思ったら、②「Up From The Skies」は生音にワウワウを利かせたギターとブラシを使った繊細なドラム。4ビートジャズ的な楽曲。いきなりジミの懐の深さを見せつけられた思いが…。

ハードロックなジミらしいナンバーが③「Spanish Castle Magic」。
この曲はライヴでもよく演奏されてました。3人が争うように爆音を鳴らしているように聴こえます。
アップした映像は1969年のストックホルムでの演奏シーン。ミッチ・ミッチェルのドラムプレイ、実に激しく、しびれます。

④「Wait Until Tomorrow」もいいですね~。
一瞬のちのフュージョンを思わせるギターカッティング。ノリもライトタッチなポップナンバー。裏声を使ったコーラスもいいです。ジミヘンが単に大きい音を出すノイジーなプレイヤーではないことを証明するナンバー。
この曲はジョン・メイヤー・トリオがかっこよくカバーしてました。そのジョンのカバーバージョンもかなりカッコいい。ジミのこうした楽曲は、今演奏しても全く色褪せていないことがよく分かると思います。

サイケな⑦「If 6 Was 9」に続いて素晴らしいロックチューンが⑧「You Got Me Floatin'」。タイトにリズムを刻むミッチにジミが絡む。実にカッコイイナンバーです。

私が一番驚いたのが⑩「She's So Fine」。
それもそのはず、この曲だけはベースのノエル・レディング作詞作曲。いや~、だって楽曲がザ・フーにそっくりなんで。ノエルが意識していたかどうかは分かりませんが、この曲、普通にラジオから流れてきてもジミの曲とは分かりませんね(笑)。

エンディングトラックはアルバムタイトルナンバーの⑬「Bold as Love」。ここでのジミのギタープレイ、光りますね。歌いながらの素晴らしいカッティング。ギターソロも美しい。曲が終わったと思ったら、その後のドラム、続くギターソロも歌っているようです。これまたジョン・メイヤーがカバーしてましたね。

ジミはこんな名作を発表しながらも、更に翌年、これまた素晴らしい「Electric Ladyland」を発表。彼の創作意欲はスゴイものがあったのでしょうね。


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