Faragher Brothers「Family Ties」(1977)
ようやく朝晩と涼しくなってきました。ゴルフ日和になってきましたね…。週末は蓼科ゴルフです…。なので気持ちの良い朝に気持ちの良いAORを聴いております。
今回ご紹介するアーチストはあまり知名度ないかもしれませんね。ファラガー・ブラザーズ。名前の通りファラガー兄弟、4人のバンドです。ブルーアイドソウル系のバンドですが、今回ご紹介するセカンドではジェイ・グレイドンがギターで参加し、ちょっとAORテイストが加わっております。そしてサードではかなりAOR指数の高い仕上がりに。
バンド自体は4枚のアルバムを発表して解散してしまいましたが、特にファースト、セカンドは、レア・グルーヴ系がお好きな方にはマストアイテムとなってます。
メンバーはダニー・ファラガー(Org)、ジミー・ファラガー(Vo)、トミー・ファラガー(Key)、ディビー・ファラガー(B)の4兄弟。そこにジェイ・グレイドン(G)、マイク・ベアード(Ds)等が参加。
プロデューサーはケニー・カーナーとリッチー・ワイズ。この2人の名前を聞いてピンと来られた方はかなりマニアですね(笑)。そう、キッスの初期2枚のアルバムのプロデュースをしたコンビ。リッチーは70年代初期のハードロックバンド、ダストのリーダーで、ケニーはダストのプロデュースをした関係。そういった2人ですから、ハードロック系の音か…と思いますが、ご安心下さい、全くその要素は見当たりません。
それにしてもファーストのプロデュースがポップス系が得意なヴィニ・ポンシアで、その後、なぜこの2人になったのでしょうね。サードではまたヴィニがプロデュースすることになるのですが…。
さて本作ですが、AORテイストが随分加わった作品なんですが、それはアルバムトップ①「Thanks A Lot」のイントロからその雰囲気が伝わってきます。マイクのタイトなドラムと、ファラガーブラザーズのブルーアイドソウル的コーラスが非常に心地いい~!でもやっぱりこの曲のキーはディビーのグルーヴィーなベースと、ジェイの軽やかなギターカッティングにあると思ってます。ファラガーブラザーズの良さが存分に発揮された1曲ですね。
②「You're Making A Good-Bye Bad」はジェイのギターが堪能できる1曲。ヴォーカルはジミーでしょうか。彼のヴォーカルはホント、黒っぽい! この曲のアレンジはなかなか凝ってますが、常にジェイのギターが鳴っているのも気持ちいいですね。
ちょっとクールダウンさせるような楽曲が③「Life Is Love」。
AOR指数は高まっていきます。もうイントロからジェイのギターが…。いや~、気持ちいいです!! ここでもサビのコーラスはブルーアイドソウルの要素が発揮されてます。この曲も段々盛り上がっていくんですよね。このグルーヴ感はカッコいい!!4分20秒過ぎからのファンキーな部分は、やっぱりディビーのベースが鍵。このエンディングもカッコいいなあ。
ちょっとしっとり系の楽曲もアップしておきます。それが⑥「Follow My Heart」。AOR系特有のほろ苦いメロディの良質なポップスです。こういう楽曲、大好きです。ファラガー・ブラザーズのコーラスって気持ちいいですね~。あと当然ながら、ジェイのギターソロも「らしい」です。
恐らくファラガー兄弟って、インプレッションズなんかが好きだったんだろうなあと思わせる楽曲が⑨「You Know That」。エンディング・トラックにコレを持ってくるあたり、心憎い演出ですね。夏の終わりの夕暮れに聴いていたい1曲。完全にソウルな楽曲です。
どうでした? かなり良質なAOR系のアルバムです。ちなみにファーストは、もっとブルーアイドソウル的なアルバムです。
ファラガー兄弟は、トミーはソングライターとして活躍。ディビーはエルビス・コステロのバンドで活躍しております。