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Thin Lizzy「Black Rose a Rock Legend」(1979)

私のリアルタイムのシン・リジィは、既にゲイリー・ムーアスノーウィー・ホワイトは脱退しており、当時はジョン・サイクスが新たにギタリストとして加入して制作されたアルバム「Thunder & Lightning」が発表された直後でした。
ですからシン・リジィの印象は、アイルランド出身というオリジナリティを発揮したバンドというよりも、ジョン・サイクスがギターを弾きまくる普通のハードロックバンドというイメージが先行しておりました。

でもゲイリー・ムーアが全ての曲に参加している唯一のスタジオアルバムである本作をじっくり聴くにつれ、アイルランド出身のバンドという独特の世界観を持ちつつ、ポップな一面も併せ持つこの作品、実に素晴らしい作品だとの思いを深くしました。

この作品、全9曲、全くスキがありません。特にA面①~⑤の流れが素晴らしい。
このアルバムのトップを飾るのが①「Do Anything You Want To」。
メンバー4人(Phil Lynott、Gary Moore、Scott Gorham、Brian Downey)の持ち味が堪能できます。
フィルのアタック音の強いベース、堅実なブライアンのドラム、ゲイリーとスコットのツインギター。実にカッコイイですね。

シン・リジィの音楽の奥行きの深さがよく分かる1曲が③「S&M」。
ちょっとファンク色が濃いですね。ここでもフィルとブライアンのリズム隊が、いいグルーヴ感を出してます。フィルのベースは唸りを上げてます。フィルはベーシストとしてもスゴイ職人です。
ゲイリーは相変わらずギターソロ、弾きまくってます(笑)。

④「Waiting for an Alibi」、この曲がいちばんポップだし、本作では一般的には一番有名な曲でしょうね。
アップした映像は恐らく口パクですが、メンバー4人が拝見出来るだけでも貴重な映像です。ゲイリーよりもスコットの方がフューチャーされているような気がしないでもないのですが。
この曲もカッコイイですね~。

シン・リジィでは異色のポップソングもご紹介しておきます。それが⑤「Sarah」。
この曲が好きだという、隠れファンも多いのではないでしょうか。
この曲のPVでしょうか。アップした映像にはフィルしか登場しません。いや、最後にフィルに代わって歌っているのはスコットでしょうか(笑)。当時制作されたものなのか、ちょっとよく分からない映像ですが、なんだかハートウォームな映像です。
あとなにげに恐らくゲイリーの乾いた音のギターソロ、結構スゴイです。

シン・リジィがアイルランド出身のバンドであることを鑑みると、やはりこのアルバムのメインはケルトミュージックの香り漂う⑨「Roisin Dubh (Black Rose) A Rock Legend」でしょう。
ポップス好きの私にとっては親しみやすいサビを持つシン・リジィが大好きなので、最初はこの楽曲にも抵抗があったのですが、聞き込むうちにゲイリーの熱いギターに引き込まれていきました。
この曲はやっぱりライヴ。アップした映像はフィル・ライノットの追悼ライヴで、主役はもちろんゲイリー。そこにスコット・ゴーハムが登場します。ドラムはブライアン・ダウ二ー。熱いギターソロです。

フィルにゲイリー、この2人がもうこの世にはいないという事実はなんだか信じられませんね。
最後にフィルとゲイリー、貴重な2ショットの素晴らしい映像をアップしておきます。しかも楽曲はゲイリーの代表作でもある「Parisienne Walkways」!
ゲイリーのライヴにフィルが飛び入り参加したもの。
ゲイリー、ためにためてギターソロを弾いてます。ギターが泣いている!


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