見出し画像

Montrose「Montrose」(1973)

暑い日が続いてますね。
こんな時は爽快なハードロックが聴きたくなってきます。

折しもサミー・ヘイガーの来日公演に備えて、向こう2か月半でサミーの音楽をチェックしたいなあと思っていたので、まずはサミーがヴォーカルを務めていたモントローズを聴いておりました。
モントローズは殆ど聴いたことがなかったのですが、如何にもアメリカンなハードロックである一方、何となくブリティッシュな香りもするところもあったりして、かなり私好みのサウンドでした。

モントローズは、ヴァン・モリソンやエドガー・ウィンター・グループへの参加で注目を集めていたロニー・モントローズ(G)が1973年に結成したバンドで、ロニーの他、長らく行動を共にしていたビル・チャーチ(B)、後にハートに参加することとなるデニー・カーマッシ(Ds)、そしてサミー・ヘイガー(Vo)の4人でデビューを果たします。

本作はそのデビューアルバム。プロデュースはメンバーとテッド・テンプルマン。ジャケ写はノーマン・シーフによるもの。デビュー前はカリフォルニアのローカルバンドで地道に活動していたサミーが、本作ではパワフルなヴォーカルだけでなく、曲作りにも大いに貢献しております。

まずはこのアルバムを象徴するようなトップナンバーのロニー作の①「Rock The Nation」。
爽快なアメリカン・ロック、ロック・アンセム的な、モントローズの代名詞的な楽曲でもあります(確か伊藤正則氏が同名の番組を持ってますね)。
アップしたのはロニー亡き後、今回サミーと共に来日するジョー・サトリアーニが後釜に座った2013年のライブ映像。ビルやデニーも演奏に加わってます。サミーは若干太り気味ですが、若いですね…。この曲もライヴでやるのでしょうかね。

こちらはサミー作の②「Bad Motor Scooter
スピーディーなロックナンバー。これはスタジオライヴの映像がカッコいい。サミーはギターは弾いておらず、実質スリーピース・バンドなので音はスカスカですが、勢いで押しまくる感じで、それがモントローズの魅力にもなってます。ロニーのギタープレイも魅力的ですね。

個人的にはかなり驚愕したスペイシーなロニー&サミーの共作の③「Space Station #5」。
イントロからロニーのアーミングを駆使したトリッキーなプレイが…。アームというかテルミンみたいなものなのでしょうか。アップしたスタジオライヴでもしっかりその演奏が映っております。しかも驚きなのが、その後に続くサミーの絶叫。これはザ・フーのあの曲のロジャー・ダルトリーの絶叫を彷彿させます(後にサミーはヴァン・ヘイレンでその曲をカバーしますが)。サミーの容姿、ヴォーカル・スタイルはレッド・ツェッペリンのロバート・プラントそっくり。サミーがロバートと似ているなんて、全く思いもしませんでした。この曲は展開もブリティッシュ風で実にカッコいい。

本作中、一番ヘビーな⑥「Rock Candy」。
メンバー全員の共作。ロックンロールなモントローズとはまた違う一面が表れた1曲。よりアメリカンではありますが、ヘビーなリフはこちらもレッド・ツェッペリンを彷彿させます。ロニーのギターソロがかなりエモーショナルでカッコいいです。

アメリカン・ブギーな⑦「One Thing On My Mind」。
ひょっとしたらこの曲が一番モントローズらしい楽曲かもしれません。こういうシャッフル系の楽曲は、ハードロックと云えども心地いいですね。
ロニーのギターソロは右から左、左から右に音が動き、非常に立体感溢れるものになってます。

結局サミー・ヘイガーはセカンドアルバムでモントローズを脱退し、1976年にソロ活動を開始します。但し商業的な成功は80年代まで待たなければならないのですが…。
私が洋楽を聴き始めた頃、サミーはソロでヒットを飛ばし始めており、そのサミーがヴァン・ヘイレンに加入と聞いたときは結構意外な感じもしましたね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?