Jimi Hendrix 「Valleys Of Neptune」(2010)
2010年、ジミ・ヘンドリックスの音源の権利移籍に伴い、新レコード会社であるソニーからオリジナルアルバムのリマスター盤が発売されました。当時のレココレ2010年4月号もジミヘン特集と、一部で盛り上がっておりました。このリマスター盤の発売に合わせて、未発表音源アルバム「Valleys Of Neptune」も発売。当時、発売と当時にコレを聴き、私自身、改めてジミヘンの偉大さに感嘆しましたね。
私はジミ・ヘンのコレクターではないので、あまり未発表云々に興味はないのですが、このアルバムは、ジミヘンのオリジナルアルバム、と捉えても問題ないくらいクオリティの高い仕上がりになっております。
尚、このアルバムのジャケットのジミの写真は、リンダ・イーストマン、つまりリンダ・マッカートニーが撮ったものとのこと。
本作の詳細な解説は当時のレココレの特集記事に詳しく記載されていますが、本作は主に1969年2月から5月に録音された楽曲が中心に収録されてます。活動的にはジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの活動を終了し、次なる飛躍に向けた、ジミの脂の乗り切った時期といえるかと思います。
その収録された楽曲何れもが、非常に魂のこもったものとなっており、その迫力に圧倒されますね。エディ・クレイマーの仕事振りにも感謝です。
さて、このアルバム、1曲目の①「Stone Free」からシビれます。
もちろんこの曲、1966年のシングル曲ですが、ベースはエクスペリエンスのノエル・レディングではなく、昔からの盟友ビリー・コックス。
音はタイトで、♪ I've Got to Move on ♪のジミのシャウトにノッてしまいます。
タイトルトラックの②「Valleys of Neptune」。
イントロは何やら神秘的な雰囲気。初期の派手でアグレッシブな楽曲ではないものの、間奏部分の感情的でスリリングなジミのギタープレイは、やっぱりついつい聴き入ってしまいますね。
強烈なファンクチューンの③「Bleeding Heart」。この曲、すごくお気に入りです。ブルース調の楽曲はちょっと苦手ですが、後期のファンクチューンのジミは特に大好きです。
ブルース・ギタリストのエルモア・ジェームスのナンバーですが、過去発表されているジミのこのナンバーは、スロー・ブルース調らしいのですが、ここでは思いっきりファンクしてますね。前のめりに突っ込んでいくドラムはロッキー・アイザック。
エンディングでのジミのカッティングギター、かっこいいの一言・・・。
⑤「Mr. Bad Luck」も大好きなナンバー。
レココレにもありますが、ベースが「サマータイム・ブルース」的で、ハードなナンバーに仕上がってます。とにかくジミのヴォーカルとギターの音がかっこいい。
もともとは「Look Over Yonder」として知られたナンバー。
そしてこの後続くのが⑥「Sunshine Of Your Love」。あのクリームの名曲です。このアルバム、1曲目からここまで、とにかく一気に聴かせてくれます。音に迫力があるし、凄いプレイにただただ聴き入るばかりです・・・。
アレンジ的にはクリームとそんなに変わりませんが、ギターはかなりアグレッシブ。インプロビゼーションも非常にスリリングです。当時、ライヴではこの曲、結構やっていたようですね。
歌のバックに流れるスリリングなギターワークが魅力的な⑧「Ships Passing Through The Night」。これ、歌いながら弾いているんですよね。う~ん、すごいなあ~。
早弾きだけがギターのテクニックではない、それがよく分かるギターワークですね。
名曲⑨「Fire」も収録されております。この曲を知らない方のためにライヴ映像をアップしておきます。
未発表曲の⑪「Lullaby For The Summer」はインスト。ツインギターがしびれます。これまた、つっこみ気味のリズムがかっこいい。ジミのギターが堪能できます。
単なる未発表音源集ではない、素晴らしいアルバムですね。ジミの素晴らしさが堪能できるアルバムですし、(音源管理をしている)エクスペリエンス・ヘンドリックス社の意気込みがビンビン伝わってきます。