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Orleans「Waking And Dreaming」(1976)

昨日は春らしい1日でしたね。こういう時は爽やかなコーラスワークが聴きたいものです。チョイスしたのはオーリアンズ。オーリアンズはセカンドのOrleans II、やサードのLet There Be Musicが有名ですが、この4枚目の作品もなかなかいいですね。

本作より、ドラムにジェリー・マロッタ(リック・マロッタの実弟)を迎えて、ウェルズ・ケリーとのツイン・ドラムの形態となります。これはマルチ・プレイヤーのウェルズの活動の幅を広げるためでもあったのですが、ツインドラム特有の豪快なうねりを感じるグルーヴを生むことになりました。もともとオーリアンズは演奏の上手いバンドで、かつコーラスワークも素晴らしく、ある意味本作は一番オーリアンズらしい作品に仕上がったような気がします(ただ結果的には音楽性の違いから、リーダーのジョン・ホールが脱退してしまうのですが…)。

このジャケットだけは何とかしてほしい(笑)。爽やかなコーラスワークが持ち味なのに…。このジャケのせいで、どれだけ販売数を下押ししたことか。
でも内容は素晴らしいんです。1曲目からグルーヴ感が素晴らしい①「Reach」。ジョン・ホールのギターワークも素晴らしいし、3人(ウェルズ、ラリー・ホッペンランス・ホッペン)のコーラスワークも心地いいですね。そしてこの曲の最大の聴き所はエンディングのアレンジ。曲の後半、カントリーのように倍速のリズムアレンジとなるところは彼等らしいです。
この曲のライブ映像がありましたのでアップしておきます。ここではツインドラムではなく、ジェリーはパーカッションを担当してます。当然ながらスタジオ録音の方がグルーヴ感が感じられますが、この映像を見て改めて相当演奏&コーラスの上手いバンドだっていうことが、よく分かると思います。

骨太なロックの②「What I Need」。ちょっとサザンロック的なアーシーな感じがします。実はこっちがオープニングでも良かったんじゃないかなと思うのですが。でも①→②の流れはカッコいいですね。あとこの曲の間奏はツインドラムのうねりを感じさせますね。最初のギターソロがジョン、次がラリー。ツインドラムっていうとドゥービー・ブラザーズが有名ですが、サウンド的には私はオーリアンズの方が好みです。オーリアンズというと「Dance With Me」のソフトロック的なイメージがあるかもしれませんが、ひょっとしたらこの曲のようなヘビーさが彼等の持ち味だったのかもしれません。

②がちょっと苦手という方は③「If I Don't Have You」がおススメです。ちょっとほろ苦い、メロウなメロディは私の好みだったりします。分かりづらいですが、バックコーラスにリンダ・ロンシュタットが参加してます。

タイトルトラックの④「Waking And Dreaming」…、これもノーマルな曲ではありません。イントロからAメロは③「If I Don't Have You」のようなメロウな曲を連想させますが、次の展開がかなりハード。しかもジョンとラリーのツインギターがカッコイイ。
これはやっぱりライヴ映像を是非ご覧ください!!ドラムのウェルズはオルガンを弾いてます。ジェリーのドラミング、ランスのベース、実にグルーヴィー。そしてハイライトは5分前後からのアカペラ、そしてメンバー紹介のシーン。続く曲は⑦「The Bum」。これはウェルズの曲なんですが、気付いたらジョンがドラム、ウェルズが前に来て、リードヴォーカルとギターを。ウェルズはフィンガーピッキングでしょうか。これはかなりスゴイ映像です。

最後は彼らの最大のヒット曲である⑥「Still The One」を。
「Dance With Me」よりもこちらがヒットしました。こちらはかなりドゥービー・ブラザーズに近いサウンドですね。シャッフル・リズムとコーラスワークが心地いい。ハイトーンのラリーのヴォーカルもいいんですよね。

どうですか…。知っていらっしゃる方は知っていますが、オーリアンズって相当なテクニシャン集団だったんだと思います。しかもジョンというメロディーメーカーもいて。ラリーやウェルズといった個性的なミュージシャンもいて。
ジョン・ホールは後に政治家へ転身。そして再びラリーとタッグを組んで、オーリアンズに戻ってきますが、ラリーも2012年に亡くなっております。


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