The Dave Brubeck Quartet「Time Out」(1959)
ジャズ史上、一番有名かもしれない楽曲「Take Five」が収録された名盤。10数年前までデイヴ・ブルーベックの作品は全く聴いたことがなく、最初に聴いたのがこのアルバム。当時、本作がブックオフで250円で売られていたのを発見し、即購入。しばらくはこればっかり聴いてましたね。
どうせ「Take Five」だけだろうと思いながら、まず①「Blue Rondo A la Turk」を聴いてぶっ飛びました。
恐ろしいばかりの変拍子に、激しいピアノ。そこに絡みつくサックスが疾走感を煽ります。これはすごい。
邦題「トルコ風ブルーロンド」と称されるこの曲、EL&Pもカバーしてますが、やはりこの原曲が素晴らしい。なんでもバルトークに影響を受けた楽曲とのことですが、とても知的好奇心をくすぐります。
②「Strange Meadow Lark」は一転、ビル・エバンスを思わせるメロディアスなバラード。
私のなかではジャズといえばビル・エバンス。ビル・エバンスのアルバムは結構所有していて、未だによく聴いてます。
そのビルを彷彿させる美しいピアノ。デイヴ・ブルーベックってこういう楽曲もやっていたんですね。
強烈な変拍子に緊張感みなぎる楽曲の次に、こうしたリラックスムード満点の楽曲を持ってくるあたりに、このアルバムが名盤として未だに聴き次がれている要因がありそうです。
言わずと知れた③「Take Five」。これこそ変拍子(5拍子)の名曲中の名曲。この楽曲のみ作曲者はポール・デズモンドだったんですね。
ジョー・モレロのスウィンギーなドラムが素晴らしい。そしてクールなポールの音色。
何も言わずにクールな演奏を堪能しましょう。
可愛らしいメロディを持つ④「Three to Get Ready」。
実はこの愛らしい楽曲もリズムに趣向を凝らしてます。一聴すると何の変哲もない楽曲なのですが、その裏には凝った演奏が潜んでいます。
デイヴのピアノの連打とポールのサックスが心地いい⑥「Everybody's Jumpin'」。やっぱりジャズは夜に合います。こんなジャズはじっくり聴くのが一番。
オリジナルは僅か7曲しか収録されていませんが、どれも珠玉の名曲。しかも一筋縄ではいかないもの。前述のとおり、とても知的好奇心を満たしてくれるアルバムですね。
今宵はこのジャージーなアルバムをじっくり聴いてみたい・・・。