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渡辺香津美「KYLYN」(1979)
秋晴れですね…。
今日はゴルフ遠征…、前泊して山梨県に来ております。楽しいラウンドになる予感。素敵な風景写真が撮れれば、後日下に貼っておきます。
さて日本のフュージョン界が世界のトップレベルと拮抗していた70年代後半。そんな時代を代表するようなアルバムが本作です。
この時期、渡辺香津美と坂本龍一は活動を共にすることが多く、その成果物としてこの作品は発表されるに至ります(プロデュースは坂本龍一)。そして坂本龍一は別のプロジェクトでYMOも走らせていくことになるのですが。
今年2月に渡辺香津美さんが倒れられたというニュースが飛び込んできました。4月に意識を回復され、今はリハビリに専念されているということですが、彼の華麗なプレイはもう一度聴きたいものです。そんな想いもあり、今更ながらも本作を聴き返しております。
1971年、渡辺香津美は17歳の天才ギタリストとしてデビュー。ジャズギタリストとして頭角を現し、1977年発表の「Olive's step」からフュージョンへ傾倒していきます。前述の通り、本作は坂本龍一等とのセッションの中で生まれた1枚。メンバーは渡辺・坂本の他、益田幹夫(Key)、矢野顕子(Key)、小原礼(B)、村上秀一(Ds)、高橋幸宏(Ds)、ペッカー(Per)と豪華布陣。
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まずはオープニングの①「199X」から強烈なナンバーです。
プログレッシブな作風でありながらも、間奏は4ビートジャズも取り入れた香津美さんらしい不思議な作品。メンバーの演奏力量も凄い。特にドラムの村上ポンタさん、手数の多い彼のプレイはもうこの時点で確立されてます。まさにこのアルバムのオープニングに相応しいイントロ的なナンバーですね。
この時の最高に熱量のあるフュージョンナンバーの②「Sonic Boom」。
個人的には後の角松敏生のインストアルバムの布石とも云えるナンバーと感じてます。
せっかくなので音&映像は悪いですが、当時のライヴ映像をアップしておきます。若き天才達の演奏バトルをご堪能下さい。
坂本先生、相変わらずカッコいいし、他のメンバーも当たり前ですが若い!
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矢野顕子作の③「Water Ways Flow Backward Again」。
矢野顕子自身のアルバムにも収録されている楽曲。ここでは渡辺香津美(g)、矢野顕子(P)、坂本龍一(Key)の3人の演奏が素晴らしい。
アッコさんらしいクラシカルなメロディ、ギターとピアノが織り成すハーモニーに、絶妙に絡むエレピ、3人のアレンジも素晴らしいです。
こちらはマイルス・デイヴィスの④「Milestones」、こんな曲までやっていたんですね。
マイルス・デイヴィスが1958年に発表したジャズの名曲ですが、それをこんな風にフュージョンタッチに仕立ててしまうKylynバンド…、凄いです。
ということで敢えてライヴ音源をアップしておきます(音がかなりいいです)。当時の白熱したライヴ、メンバーはこのレコ―ディングと同一メンバー。向井滋春(Trum)、清水靖晃(Tenor)、本多俊之(Soplano)の熱いホーン、煽りまくるポンタさんのドラム…、この時代の最高の演奏が堪能出来ます。
B面は一転、穏やかな作品が続きます。
坂本龍一作の⑤「E-Day Project」。
坂本さんらしいポップなナンバーで密かに私の大好きな1曲です。④とのギャップが凄い(笑)。こうしたシャープなドラムは高橋ユキヒロさんのプレイがピッタリ(本作はA面のドラムがポンタさん、B面がユキヒロさんに統一されてます)。
メロディを奏でる坂本龍一のシンセ、シンセソロは矢野顕子。キーボードはかなりポップですが、主役の渡辺香津美のギターはロックしてます。特にエンディングではギターソロを弾きまくってますね。
最後に典型的なフュージョンナンバーの⑧「I'll Be There」を。
坂本龍一作。キャッチーなサビのヴォーカルは矢野顕子。B面は坂本龍一色が強いですね。この曲も最後にようやく渡辺香津美さんの熱いギタープレイが聞けます。印象的なリフの繰り返しの中で、香津美さんが自由に弾きまくっている様子が窺えます。
渡辺香津美さん、またギターを弾きまくった姿が見たいものです…。更なる回復を祈っております。
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