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TOTO「The Seventh One」(1988)

個人的には「TOTOⅣ」以降のTOTOは殆ど熱心に聴いたことがありません。「TOTOⅣ」まで在籍していたボビー・キンボールが好きだったというわけではありませんが、あそこまで完璧なアルバムを発表されると、次の作品を聴いて少しでも胸に響かなかったら熱が冷めてしまうのかもしれません(実際次作「Isolation」にはそれほどの感動がなかった記憶があります)。

TOTOにはそういう思いがあるのですが、たまに思い返したように本作はチェックしております。
本作はボビーの後任として加入したジョセフ・ウィリアムズもいい仕事してますね。

前述の通り、本作はジョセフ・ウィリアムズがヴォーカルとして参加した2作目であり、スティーヴ・ポーカロがレギュラーメンバーから外れた作品でもあります。プロデュースはジョージ・マッセンバーグとビル・ペイン。ビル・ペイン、あの元リトル・フィートのビルです。TOTOとビルの繋がりもユニークですね。

あまり聴いたことがないアルバムとはいえ、よく知っている楽曲も収録されてます。例えばアルバムトップに収録されている①「Pamela」。
イントロのシャッフル系のリズムには往年のTOTOを感じさせます。随所に出てくるキーボードには80年代のピコピコサウンドの影響が見受けられ、ちょっと興醒めですが、TOTOらしい1曲ですね。
ホーンがAOR系のシカゴっぽいですが、トム・スコットやジム・ホーン、ジェリー・ヘイ、チャック・フレンドリー、そしてシカゴのジェームス・パンコウ等が参加してます。

味わい深いバラードの③「Anna」はスティーヴ・ルカサーとランディ・グッドラムの作品。ランディはソロでも素晴らしい作品(特にファーストアルバムは名盤)を発表してますが、ライターとしても素晴らしい方です。ヴォーカルはスティーヴ自身。スティーヴの甘いヴォーカルはバラードにピッタリですね。

ポップな④「Stop Loving You」はリズムが「Africa」っぽいですが、この当時のポップなサウンドですね。力強いジェフのドラムが印象的です。

私が敬愛して止まないジェフ・ポーカロが曲作りに参加している⑤「Mushanga」はジェフの独壇場ですね~。リズムカルなジェフのドラム、スゴイです。この曲をスリーピース(ベースはマイク、あとキーボード)で演奏している珍しい映像がありましたのでアップしておきます。「Mushanga」に聴こえないのですが、リズムは「Mushanga」ですね。それにしてもジェフ、楽しそうに叩いてますね。

他にもあまりにもポップでビックリな⑦「Straight For The Heart」やルカサーらしいハードな⑧「Only the Children」など魅力的な楽曲が収録されてますが、やはりどれも80年代中期から後期特有の商業的なポップソング、産業ロック的に聴こえてしまい、個人的にはあまり好きにはなれません。

ヴォーカルのジョゼフは本作を持って脱退してしまいますが、その後もメンバーとの交流はあり、後のアルバムに曲作りで参加したりしているようです。
やっぱり個人的にはTOTOは「TOTOⅣ」までが好みですかね…。


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