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Colin Blunstone「Ennismore」(1972)

今月発売されたレココレ5月号は創刊40周年記念ということで「60年代のロック・アルバム200」という特集記事が…。2007年、25周年にも同様の企画(当時はベスト100)が掲載されてましたが、この当時と今回のランクインしたアルバムの違いを見るのも面白いですね(そもそもこの企画、かなり賛否両論ありますが…)。
個人的に嬉しかったのがThe Zombies「Odessey and Oracle」が9位にランクインしていたこと。前回は35位でしたので、この15年でソフトロックの名盤が見直されたってことですね。あと私の敬愛するモンキーズが193位、198位にランクイン。もう少し上位でもいいのですが…。
驚きだったのが、クリームやジェフ・ベックは30位圏外。1位がヴェルベット・アンダーグラウンドというのも時代なんですかね~。

さてさて、ゾンビーズで思い出したのが同バンドのリード・ヴォーカルのコリン・ブランストーン。彼のファーストソロの「One Year」は超名盤として語り継がれ、実は先日50周年記念盤が発売されました(この記事もレココレ5月号に掲載されてます)。ただこちらのアルバムは既にご紹介済ですので、今回はセカンド「Ennismore」をご紹介致します。

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こちらのセカンドも非常に充実した内容。ソフトロックとパワーポップをミックスしたようなサウンドで、コリンならではのメロディ、そしてヴォーカルが楽しめます。
アルバムタイトルは、当時コリンが住んでいた場所の広場の名前から取られたもの。プロデュースは前作同様にロッド・アージェントクリス・ホワイト。2人ともゾンビーズのメンバーですね。ロッドは当時、アージェントを結成して活発な活動をしておりました。
ちなみにゾンビーズは「Time Of The Season」がヒットした頃には解散しており、その解散時のメンバーがコリン、ロッド、クリス、そしてポール・アトキンソン、ヒュー・グランディ。ポールとヒューは解散後に音楽出版会社のA&Rマンに転身。このアルバムにも関わっていたらしく、それが事実だとすると、ゾンビーズのメンバーがコリンのために集結した作品とも云えます。

アージェントのメンバーだったラス・バラードの作品の①「I Don't Believe in Miracles」。
このアルバムは全11曲中、①と⑧以外はコリンの作品。この曲もコリンの作品といってもいいくらい、彼の世界観とマッチした作品です。憂いのあるコリンのヴォーカルは、ちょっとメランコリックなこの曲にピッタリ。本作を代表する1曲です。
ちなみにラス・バラードは後にレインボーの「Since You've Been Gone」「I Surrender」等を提供。ライターとしても大成されます。

③「A Sign from Me to You」は、イントロのアコギなんかを聴くとジョージ・ハリスンの楽曲を連想してしまう楽曲。
こちらもマイナー調のポップス。間奏のスライドギターなんかはジョージっぽい。ちなみにこのアルバムのバック・ミュージシャンはアージェントのメンバー、ロッド・アージェント(Key)、ラス・バラード(G)、ジム・ロンフォード(B)、ボブ・ヘンリット(Ds)が中心となって演奏しております。

これぞコリン、弦楽四重奏をバックに美しいメロディの④「Every Sound I Heard」。
ゾンビーズやコリンのファーストでも披露した弦楽を従えた美メロのバラード。コリンの声質と合っているんですよね。

こちらは本アルバムでは異質なちょっと爽やかな⑥「I Want Some More」。
コリンにしては珍しい爽やかなロック。パワーポップ風なアレンジも私の好みです。ラズベリーズなんかもアコースティックタッチな曲はこんな感じでした。

スライドギターがカッコいいロックンロールナンバーの⑦「Pay Me Later」。
本作中、一番ロックンロールしている楽曲。ポール・マッカートニーみたいなモコモコしたベースはアージェントのジムのプレイかな。こんな曲も書けてしまうコリンってやっぱり有能なメロディメーカーですね。

エンディングはバラードの⑪「How Could We Dare to Be Wrong」。こちらも美しいメロディとコリンの泣かせるヴォーカルが素敵です。スタジオ・ライヴの映像がありましたので、そちらをアップしておきます。

コリンはその後もセールス的には苦戦を強いられるも、コンスタントにアルバムを発表していきます。そしてゾンビーズをロッドと共に何度か再結成、実は今も活動は継続中です。ゾンビーズも60年代のオリジナルアルバムは2枚しか発表していないのに、息の長いバンドになりました。

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