
Raspberries「Starting Over」(1974)
ラズベリーズは私の大好きなバンドの一つです。エリック・カルメンが率いたバンドで、ビートルズ・ビーチボーイズが好きなポップスファン、またフーなどが好きなハードロックファンなら絶対に気に入って頂けると思います。
本作は1974年発表。ラズベリーズの4枚目にしてラストアルバムです。本作ではベースがスコット・マッカール、ドラムがマイク・マクブライドに替わったものの、ラズベリーズの持ち味は全く変わっておりません。

ラズベリーズは1971年にデビューし、4枚の素晴らしいアルバムを残しております。すべてお薦めですが、特に2枚目「FRESH」と本作は必携です。
アルバムトップはエリック作の①「Overnight Sensation」。
当時の彼等の状況を踏まえると、ちょっと皮肉な内容ですが、ヒットレコードが欲しいと歌われるユニークな曲。ここでの甘美なコーラス、メロウなギターソロ、激しいドラムはラズベリーズならではですね。
新加入のスコットとエリックの共作の②「Play On」は典型的なパワーポップなナンバー。ドラムが荒々しい。リードヴォーカルはスコットです。
こちらも新加入のマイクとエリックの共作の⑥「All Through The Night」はラズベリーズ流のロックンロール。ラズベリーズの楽曲ってサビがキャッチーでいいんですよね。爽快です。
エリック作の⑦「Cruisin Music」は私の一番のお気に入りのナンバー。
タイトル通りなんですが、完全にビーチボーイズから影響を受けたコーラスが素晴らしい。ラズベリーズ流のロックンロールですが、いかにもエリックらしい楽曲。
本作ではメンバーチェンジが行われ、再びやり直そうと言わんばかりのタイトル曲、⑪「Starting Over」にもあるように、エリックとしても気合が入っていたと思います。
アレンジはいつものラズベリーズのように仰々しいですが、間奏のシンセとか、ホーンとか、かなり美しいメロディを引き立てるアレンジですね。
ラズベリーズの魅力って、ハードな曲はかっこいいし、メロディアスな曲は心動かされるし、また派手なドラミングもカッコいいです。
ただ残念ながらラズベリーズは本作発表後に解散。その後のエリック・カルメンの活躍は皆さんご存じの通りです。