![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/121371518/rectangle_large_type_2_096c6d56b9db0e88862cc0d444c7843b.jpeg?width=1200)
Tedeschi Trucks Band「Revelator」(2011)
先日の来日公演が大変好評だったテデスキ・トラックス・バンド。
私は殆ど彼等のアルバムは未聴でしたので、彼等が来日公演でカバーした楽曲や、その公演内容の皆さまの講評を拝見し、やはりこれはじっくり一度は聴いてみなければいけないと思い立ち、まずはファーストアルバムをチェック致しました。
そしてスーザン・テデスキのヴォーカル&ギターを聴いて、ついついジャニス・ジョップリンやボニー・レイットを連想してしまいました。もちろんデレク・トラックスのスライド・ギターにも魅了されたことは言うまでもありません。曲も渋くていいですね…。
総勢11名というビッグ・バンド。オールマン・ブラザーズ、デレク・トラックス・バンド、スーザン・テデスキ・バンド人脈がクロスオーバーした極上のサザン・ブルースのアルバム。まさか彼等がダブル・ドラムス&3管ホーン部隊とは思いませんでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1699650015677-X8kuqg7zJL.jpg)
まずはご挨拶代わりにアルバム・トップの①「Come See About Me」のライヴ映像をどうぞ。
強力なライヴ・バンドであることがよく分かります。この歌い方&ギター、やっぱりボニーそっくり。そしてコフィ・バーブリッジのハモンドB-3の強力なソロとそれに続くデレクの指弾きのスライドギター、圧巻ですよね。てっきりデレクばかりが目立つバンドかと思いきや、決してそんなことはありません。ちなみにコフィは2019年に亡くなれていたんですね。
マイク・マティソンとデレク・トラックスの共作の③「Midnight in Harlem」。
かなりリラックス・ムード漂う楽曲で、デレクの浮遊感あるスライドギターが心地よい。
マイク・マティソンは元々はデレク・トラックス・バンドではリードヴォーカルだった方。スーザンとデレクが結婚、バンドが合体してテデスキ・トラックス・バンドとなってマイクはバック・ヴォーカルに下がってしまった謙虚な方。しかもハーバード大学を卒業している秀才。彼は後ほど紹介する楽曲でも素晴らしい声を披露してますが、いいヴォーカリストなんですよね。
シタールのような音色のサロードという楽器をフューチャーした⑧「These Walls」。
アラム・カーンという方が弾いております。私の苦手なジョージ・ハリスンの世界(笑)。この曲はイントロこそサロードを強調している感じですが、実際は美しく、味わい深いメロディの楽曲。そのメロディにサロードが色を添えているという感じです。
アップした映像はアラムとの共演のライブですが、これがなかなかいいのです。最初の1分40秒くらいはサロードのソロなので、待ちきれない方は飛ばしてください。凄く味わい深いですよね。こちらはインド関連の方が作った曲ではなく、デレクと気鋭のギタリストのエリック・クラズノ、SSWのソーニャ・キッチェルの共作。こんな曲まで作ってしまうデレクの奥深い才能に驚かされます。
かなりハードなブルースナンバーの⑨「Learn How to Love」。
作曲者にはスーザンとデレクの他に、ファンクバンドのレタスのメンバーであるエリック・クラズノ、アダム・ダイチ、アダム・スミルノフが名を連ねてます。なるほど…な楽曲。往年のレッド・ツェッペリンが演奏しそうなブルース・ファンク。こんな曲が2000年代に発表されていたとは、ちょっと驚きです。しかしデレクはスライドだけでなく、こうしたブルース・ナンバーも器用に、しかも指弾きで弾いてしまうんですね。凄い!
ファンク・チューンの⑪「Love Has Something Else to Say」は一聴してスライ&ザ・ファミリー・ストーンじゃないか…と思っちゃいました。
やはりベースのオテイル・バーブリッジが曲作りに参加。他にデレク、マイク、そしてなんとドイル・ブラムホール2世も加わってますね。
こちらも白熱のライブ映像が圧巻。スーザンと張り合うように熱唱するソウルフルなマイクのヴォーカルが素晴らしい。またモーリス・ブラウンのトランペット・ソロとデレクのギターソロの掛け合いが凄い。このインプロビゼーションはまるでBS&Tじゃないかとも感じました。凄いですね~。
これは他のアルバムも要チェックですね。もう少し早く知って、今回の来日公演に参戦したかった…。