Aerosmith「Rocks」(1976)
こんな暑いときだから思いっきり聴きたいエアロスミス。90年代以降のアルバムはすっかりオフの格安コーナーの定番アイテムになりつつありますが、70年代の彼等のアルバムはやっぱりパワーがスゴイ。
あと彼等の音楽からは想像がつきませんが、エアロスミス、相当知的レベルは高いと感じてます。なぜならいまだに彼等は現役バリバリに活動しております。それも殆どメンバーは不変(いろいろありましたが)。80年代の復活劇以降は戦略的にも練られた感がありますね。
ちなみにヴォーカルのスティーヴン・タイラーは父親がピアノ教師で彼自身もクラシックの素養があり、またメンバーのジョーイ・クレイマー(Ds)とブラッド・ウィットフォード(G)はバークリー音楽院で学んでいたという経歴を持つ音楽界のインテリ集団です・・・、ちょっと違和感ありますが(笑)
このエアロスミス4枚目のアルバムはロック史上に残る名盤としても語り継がれてますね。当時の彼等はライヴバンドとしては一定の評価を得ており、その勢いを見事にスタジオアルバムに収録したのが本作。プロデューサーはジャック・ダグラス。
まずは名曲①「Back in the Saddle」の緊張感あるイントロでアルバムは幕を開けます。
スティーヴン・タイラーの荒々しいシャウトとヘビーなギターリフ。あまりにもカッコよすぎます。ここではライヴ映像よりも、イントロ緊張感を堪能すべくスタジオ音源をアップしておきます。
スピードソングの③「Rats in the Cellar」はエアロスミスがへヴィメタル系のミュージシャンからも慕われている理由がよく分かる1曲です。間奏のブルースハープは彼等がブルースに根ざしている証拠。
アップしたのは最近のライヴ映像。8分以上に亘っての熱演。それにしても迫力は全く衰えてませんね。
間奏ではここぞとばかりにスティーヴンがマラカスを駆使します。さすが元ドラマー。
結構ポップな⑤「Sick as a Dog」。レココレ記事によるとイントロのギターのアルペジオはバーズが元ネタになっているらしい。う~ん、そうかな~??
当時のライヴ映像なので、画質は悪いです。あと音と画像も合ってません。でも当時の熱気は伝わってくるかなと。あ~、ここでもスティーヴン、マラカスやってますね。スタジオ録音ヴァージョンはエンディングにかけてのハンドクラッピングがポップでいいんですよね。
⑥「Nobody's Fault」は当時彼等が目指していた巨像、レッド・ツェッペリンの楽曲に似た1曲。
実際に当時ZEPが発表したアルバム「Presence」には「Nobody's Fault But Mine」という曲が収録されてます。
復活した以降のエアロスミスのライトな楽曲とは違い、かなりへヴィーな作りがいいですね。
エアロスミスといったら、やっぱりハードブギーでしょう。典型的なブギーソングが⑦「Get the Lead Out」。こうしたシャッフル系の楽曲は上手いですね。
エンディングは名曲⑨「Home Tonight」。
エアロスミスって、やっぱりハードななかにもキャッチーでメロディアスなところが魅力的だったりします。いまだに彼等が現役なのは、そういった部分がエバーグリーンに魅力的だからなんでしょうね。
まだ毒々しさを残しつつ、商業的にもビッグヒットとなった本作。しかし彼等は70年代末からしばらくは不遇時代が続くことになります・・・。