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Boz Scaggs「Down Two Then Left」(1977)

ボズ・スキャッグスといえば1976年発表の「シルク・ディグリーズ」があまりにも有名ですね。
この作品がAOR史を変えたことは間違いありません。でも個人的には翌年発表の本作も大好きな一枚です。

「Down Two Then Left」はサザンソウルやフィリーソウルをボズ流に解釈した最高峰のアルバムだと思います。

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このアルバム、ボズの裏声を駆使したヴォーカルも白眉ですが、なんといっても演奏を支えきっているジェフ・ポーカロのドラムが凄い。ジェフのタイム感覚とタイトなドラミングは超人的ですね。

ライトAOR的な①「Still Falling for You」、⑥「Hollywood」、⑨「1993」等が典型的なボズサウンドだと思いますが、特に⑨「1993」はマイケル・オマーティアンが曲作りに参加したとあって、よりモダンな音作りとなってます。強烈なシャッフルビートで、エンディングのシンバルワークはジェフならではです。

またアルバムのハイライトチューンが②「Hard Times」であることは誰もが認めるところですね。この曲は本当に「黒い!」。そしてジェフがタムを独特のタイム感覚で叩き、曲をいっそうヘビーなものにさせてます。
コーラスもキーボードも全てがソウルッフル。ボズ流ソウルな曲の代表ですね。

個人的には④「Whatcha Gonna Tell Your Man」が大好きです。
これも軽快なボズ流ソウルな曲。フィリーソウルのようなノリが最高です。
イントロはスティーリーダンの「ぺグ」を彷彿させますね。ギターはジェイ・グレイドンでしょうか?
またボズのギターソロも伸びやかでウエストコーストの青い空を連想させます。

本作中、一番ソウル・ポップな⑦「Then She Walked Away」。
ボズのファルセットを効かせたヴォーカルが素晴らしい。これぞブルーアイドソウル。

驚異なジェフのプレイといえば、⑧「Gimme the Goods」。
ブラスを交えた強烈なボズのファンクナンバー。ここでジェフはエンディングで驚異的なドラミングを見せ付けます。3分42秒で32分音符のフィルが入り、そのまま超高速ハイハットワークが聞かれます。うるさいくらいのハイハットワーク。これが許されるのがジェフ。

ジェフ・ポーカロ、この時若干23歳!驚異的ですね~。

このアルバム、ジェフを中心に書いてしまいましたが、当然このアルバムはスティーブ・ルカサー、デヴィッド・ハンゲイトも参加しており、この後彼等はスーパーグループ「TOTO」を結成するのでした。



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