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Judas Priest 「Killing Machine」(1978)

10年くらい前まではよくブックオフへ通い、中古CDを漁っていたものです。今ではサブスクで多くの音楽がチェック出来るので、もうそういったことは殆どやっていないのですが。
当時は250円コーナーで珍品を探すことを日課としていたのですが、特にジューダス・プリーストの70年代~80年代の作品が放置されていた時は狂喜しましたね(笑)。作品は「ステンド・グラス」「殺人機械」「ブリティッシュ・スティール」「復習の叫び」の4枚。私が購入したのは「ステンド・グラス」「殺人機械」「復習の叫び」の3枚ですが、正直それまでジューダスは全くスルーしてました。一応ハードロックファンを自認する私ですが、それでもあのハイトーンヴォーカルが、どうも苦手で・・・、というかそういう先入観で殆ど聞いて来なかった訳で、それを機に初めてジューダスのアルバムを聞いたのでした。

いや~、かなり私の好みでした(笑)。1982年発表の「復習の叫び」、これは恐らく私が洋楽に夢中になりかけた頃の作品で、ジャケに見覚えがあったのですが、こちらよりもやっぱり70年代の作品、特に「殺人機械」は秀逸な作品でしたね。

ジャケが如何にもハードロック、というか当時としては革ジャンロックは物珍しかったのでしょうか。もっと以前のジューダスについては全く知らないのですが、どうもこの当時にイメチェンしたようです。不気味なカッコよさがありますが、当時小学生だった私には、この良さは理解不能だったかも。

プロデューサーはピンク・フロイドのプロデュースで有名なジェームス・ガスリー。前作「スタンド・グラス」で1曲だけ手掛けていたのですが、メンバーもよほど気に入ったのでしょう。

私はジューダスの作品は殆ど聞いていないので、他の作品と比較することは出来ないのですが、とにかく最初の1,2曲でノックアウトされてしまいました。特に②「Rock Forever」は圧巻。タイトルからしてロックのアンセムソングだし、驚いたのはドラム!
ドラムはレス・ビンクスですが、レスについては私は全く情報なし・・・でしたが、かなりツーバスを駆使した重量感あるドラマーなんですね。特にサビでもない最初のAメロからハイハットでなく、ライドシンバルでリズムをキープし、ツーバスをドコドコ鳴らしてます。いいですね~。
ロブ・ハルフォードのヴォーカルはハイトーンでよく伸びるし、ギターソロ直前のコーラスや、ツインリードも最高!

超高速の④「Hell Bent For Leather」。アメリカではこのタイトルがアルバムタイトルとなりました。後のツアーでは、この曲に合わせてロブがハーレーに乗って現れるステージングが話題となりました。ヘッドバンキングしたくなるような、ジューダスらしい1曲。

そしてシングルカットされた⑤「Take On The World」はクィーンの「We Will Rock You」を彷彿させる楽曲。
ここでもレスがドコドコドラムを披露してます。この曲のヒットによりジューダスはTV「Top Of The Pops」に出演しますが、その際のロブの衣装はレザーに身を包んだSM姿ですね。
映像をアップしておきますが、当然乍ら演奏はレコーディング音源を使った口パク。この演奏のドラムって、ライブではどうやっているんでしょうね。
とにかくライブ映えする、コーラスソングですね。

本作にはカバー曲が1曲収録されてます。ブリティッシュ・ロックバンドの祖、フリートウッド・マックの⑦「The Green Manalish」のカバーがそれで、ピーター・グリーン在籍時の、かなりブルース色の強いロックを、ギターリフはそのままに、かなりストレートなロックにアレンジして仕上げてますが、これがまた結構いいんですね。

また日本人が好みそうな悲壮感漂うバラードもしっかり収録。その⑩「Before the Dawn」は好き嫌いが分かれそうですね。この曲のロブのヴォーカルを聴いていて、なぜかオジーを思い出してしまいました。なんだか歌い方が似ている。こんな曲も出来るンだぜ・・・、と言っているような気が。いわゆる「泣き」のメロディってやつでしょうか。う~ん、でも個人的にはあまり胸に響かない。

それよりラストの⑪「Evil Fantasies」、私はこちらの方が好感を持てます。
最後はやっぱりヘビーなロック。こっちが本領発揮・・・と言ってます。
Zepを連想させるヘビーな演奏。ギターもどこかジミー・ペイジっぽいリフだし、ドラムもボンゾっぽい(3連のフィルがないのでボンゾではないのは明らかですが)。エンディングではしっかりスピードが倍速になって、このアレンジがまたGood。

本作はいろいろなタイプの楽曲が収録されており、飽きが来ません。ブリティッシュ・ハードロックの名盤! 
ジューダスって、こういうバンドだったんですね。


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