キリンジ「47'45”」(1999)
別に綴っているブログをスタートさせた頃、よくキリンジを聴いてました。キリンジとは堀込兄弟からなる音楽ユニットで、AORとはちょっと違いますが、スティーリーダン等の洋楽から影響を受けたと思われるその独特のサウンドは、洋楽フリークの私も大満足のユニットでした。
ただ冨田ラボのプロデュースによる2003年発表の「For Beautiful Human Life」辺りまではフォローしていたのですが、それ以降、すっかりご無沙汰してました。それが先日、某雑誌を読んでいたところ、キリンジのニューアルバム発売の記事が目に留まり、ついついよく聴いていた彼等のファーストやセカンド(本作)を久しぶりにまたじっくり聴いてます。
この不思議な魅力、やっぱりいいですね~。
まずはエキゾチックなイントロの①「Drive Me Crazy」。
あ~、ポップな楽曲なのに、歌詞が怖い、怖い・・・。ざくろって一体何??? 歌詞が思いっきりホラーしてます。どうしてこんな歌詞を思いつくのかな~。この妙な世界観がキリンジ・ワールドなのです。
②「耳をうずめて」、どこか昔のはっぴいえんどを思わせるような淡々とした中にも味わいあるメロディで、じっくり聴かせます。
この①②の展開からいきなりカントリー調の③「唐変木のためのガイダンス」。これ、結構好きなんですよね。フィドルやバンジョーが小気味よく鳴ってます。これもまたキリンジ・ワールドなのです。
このアルバムでのもう1曲のパーティーソングが⑧「銀砂子のピンボール」。③にも通じる軽快なポップスで、非常に心地いいですね。
そして洋楽ファンには人気の高い⑨「ダンボールの宮殿」。
聴いて頂ければお分かりの通り、これはもうスティーリー・ダンの世界ですね。それをうまくj-POPに仕上げ、キリンジ・ワールドに聴き手を引き込んでしまいます。こんな楽曲を演奏するバンドが日本にもいたんですよね。
この当時、彼等はまだ2枚のアルバムしか発表してませんでした。それなのにこの成熟具合。もし洋楽ファンの方でキリンジをまだ聴かれていない方がいらっしゃれば、是非彼等のデビューアルバムや本作なんかを聴いてみて下さい。その高い音楽性に驚かれると思います。