Buffalo Springfield「Buffalo Springfield」(1966)
バーズと共にウエストコーストサウンドのピープルズ・ツリーの大元の幹を成すグループのひとつ、バッファロー・スプリングフィールド。スティーヴン・スティルス、ニール・ヤング、リッチー・フューレイが在籍していたバンドとしてあまりにも有名ですね。
彼等が残したアルバムは僅か3枚、活動期間も2年弱と短いものでしたが、その影響力は絶大なものがありました。
1966年12月発表のデビューアルバム。アルバムとしてはセカンドアルバムの方が名盤の呼び声が高いものの、このファーストアルバムも聴き応えがあります。
バッファロー・スプリングフィールドの作品のなかで、恐らく一番有名な楽曲が①「For What its Worth」でしょう。ただしこのアルバムが発表された時点では、この楽曲は収録されておらず、後にシングルヒットしたことから急遽1967年4月にこのデビューアルバムに収録されることになったようです。
スティーヴン・スティルスのロサンゼルスでの暴動をモチーフにした作品で、やっぱりこの曲だけ、このアルバムのなかでは浮いた感じがします。淡々と歌われ、商業的な匂いはあまり感じられません。でも絶妙なハーモニー、味わい深い演奏は、超一級品の作品の証だし、素晴らしい名曲ですね。
貴重な音源を発見しました。何が貴重かって、バッファローのライブ音源自体もそうなんですが、この音源の最初の司会者・・・、誰だと思います?? そうです、モンキーズのピーター・トークです!!! 何がスゴイって、スティーヴンとピーターはかつて一緒にバンドを組んでいた盟友ですが、スティーヴがモンキーズのオーディションに落ちて、ピーターが受かった話はあまりにも有名ですよね。そのピーター、当時は人気絶頂期にあったモンキーズの人気者。その彼が(恐らく)友人として登場したんでしょうね。
(この1967年6月のモンタレー・フェスティヴァルの時点で、二ール・ヤングはグループを脱退していたようです。その代役でクロスビーが参加しているのですね。のちのCS&Nに繋がるきっかけとなったもの)
②「Go and Say Goodbye」、この曲が正確にはこのアルバムの1曲目でした。どうですか? 1曲目と印象が違いますよね。ビート系バンドの香りのする楽曲です。ちょっとカントリー風味な味付けが個人的には好みなんですが。
ちょっとメランコリーなニール・ヤング作の④「Nowadays Clancy Can't Even Sing」。
なぜかリードヴォーカルはリッチー・フューレイ。確かにアクの強いニールが歌うと、この曲の持つイメージが崩れるかもしれませんね(笑)。
⑦「Flying on the Ground Is Wrong」もニール作。
でもエッジは効いてないし、優しさ溢れるポップチューンに仕上がってますね。これもヴォーカルがリッチーのおかげでしょうか。こうした楽曲を聴いていると、当初のバッファローはコーラスが美しく、ポップだという点において、ホリーズに近いイメージなのでしょうか?
スティーヴン作⑫「Pay the Price」。モンキーズそっくりだ~(笑)。対抗意識があったのでしょうか。後のスティーヴンやニールの作風からすると、ちょっとビート系ポップな感じは違和感があります。
このアルバム、スティーヴンとニールが作品を分け合っており、早くも火花を散らしあってますね。また後にポコを結成するリッチーが、この時点ではまだライティング能力を発揮していなかったのは意外な気がします。
メンバーそれぞれが、この1,2年で急速に成長していくんですね。