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The Doobie Brothers 「Stampede」 (1975)

ウエストコースト・ロックの代表格、ドゥービー・ブラザーズ。来年4月には来日が決定しました(しかもマイケル・マクドナルドを含めたドゥービー)。そうです、いまだに積極的に活動をしている息の長いバンドですが、本作は初期ドゥービーの代表作とも言われている作品。
そして本作からキース・ヌードセン(Ds)とジェフ・バクスター(G)が正式加入。バンドは6人組となり、ツイン・ドラム、トリプル・ギターという豪快なバンド編成となったのです。但しこの頃からバンドのリーダーだったトム・ジョンストンの健康状態は思わしくなかったようです。

アルバムトップはトム・ジョンストン在籍時の如何にもドゥービーらしいナンバーの①「Sweet Maxine」。一言でいえば豪快なロックサウンド。6人組となった強みを生かし、ツインドラムにトリプルギター、ベースも骨太。そこにホーンが乗っかり、サウンドに厚みが増してます。アップした映像はトムが脱退し、マイケル・マクドナルドが加入したときのライブ映像。リード・ヴォーカルはドラムのキース・ヌードセンが務めていたんですね。

アップテンポな、これまた初期ドゥービーらしい、ちょっとフォーキーでカントリーフレイヴァーも感じられる②「Neal's Fandango」。パットの作品、かつリード・ヴォーカルもパット。アップした映像、結構いいです。ジェフ・バクスターのスライドとか、ジェフとトムのツインリードとか、見どころの多い映像ですね。

ライヴでもよく演奏されていたパット・シモンズ作のインストの⑤「Slat Key Soquel Rag」。こうしたフォーキーな一面を持つドゥービーが大好きです。アップした映像、パットとジェフ・バクスターの後任とした加入したジョン・マクフィーの華麗な演奏。

モータウンサウンドのカバーの⑥「Take Me in Your Arms (Rock Me)」。
原曲はキム・ウェストンという女性黒人シンガーが1965年にヒットさせた楽曲。確かにドゥービーは原曲に忠実にカバーしてますが、イントロのギターのカッティングといい、オーケストラの壮大なアレンジといい、ダイナミック感が全然違います。あとドゥービーには黒人ベーシストが在籍しています。彼の名はタイラン・ポーター。セカンドアルバムから参加しており、ベースという立場上、あまり目立っていませんが、実は彼の唸りを上げるようなベースがドゥービーサウンドを支えていると思ってます。特にこのモータウン・サウンドは、彼のベースが下支えしていることがよくわかります。
確実に原曲よりもポップでワクワクするようなサウンドに仕上がっており、ドゥービーのヒット作品となりました。ちなみに後に参加することになるマイケル・マクドナルドもモータウンが大好きであり、そういった意味では共通項はあるのですが、ドゥービー・サウンドが一変していくのは皆さん、ご存じの通りですね。

壮大で、今まで見られなかった新境地的なパット作の⑦「I Cheat the Hangman」。好き嫌いが分かれそうですが、私は後半のトランペットが加わったドラマティックな展開は嫌いではありません。アルバムの展開の中においては、重要な位置を占める楽曲かと思います。

本作発表後のツアーではついにトムがダウン。そこでジェフ・バクスターがスティーリー・ダン時代に交流のあったマイケル・マクドナルドに声を掛け、マイケルは僅か2日間のリハーサルでツアーに臨み、無事に成功。結局新メンバーとして迎え入れられ、1976年、ドゥービーはTakin' It to the Streetsを発表。本作2曲目のアルバムタイトルトラックの私の大好きな「Takin' It to the Street」。もうここにはトムの面影はありません。完全にマイケルの独壇場。でもメンバーも楽しそうに演奏してますね。

そのマイケル、トム、パット、ジョン・マクフィー(矢沢永吉との共演で有名)の4人が来日されます。これは楽しみです。

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