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John Mayall & The Bluesbreakers「Blues Breakers」(1966)

古い洋楽ファンならジョン・メイオールという名前くらいはご存知かと思います。そのジョン・メイオールの傑作が本作。ブルースブレイカーズとしてはセカンドアルバムですが、正直、エリック・クラプトンがフューチャーされたことで大ヒットしたアルバム…ともいえるでしょう。

ブルースブレイカーズのデビューアルバムが発表されたのが1965年3月。メンバーはジョン・メイオール、ジョン・マクヴィー(B)、バーニー・ワトソン(G)、マーティン・ハート(Ds)。しかし商業的には全くヒットせず、ジョンは1965年にヤードバーズを脱退したエリック・クラプトンを引き入れます。エリック・クラプトンは、ポップ化していくヤードバーズに嫌気が差して脱退したわけで、ブルースをやりたいエリックと、新たな一手を打ちたかったジョンと利害が一致。当時、エリックがギターを弾きまくるステージが評判を呼び、地下鉄の駅に「CLAPTON IS GOD」と落書きされていたことは有名な話ですね。そして満を持して発表されたのが本作。発表は1966年7月。

以下にアップした楽曲をお聞きになればお分かりの通り、とにかくエリック・クラプトンが弾きまくってます。バンド加入当時、俺がリーダーだと言わんばかりのジョンに嫌気が刺したエリックは、一度失踪しておりますが、再びこのバンドに戻り、ジョンもエリックに自由に弾かせようと思ったのでしょう。

名盤に相応しいオープニングナンバーの①「All Your Love」。オーティス・ラッシュのブルースナンバーのカバーですが、なんと言ってもクラプトンの弾くギターのトーンが素晴らしい。1960年製のギブソン・レスポールをマーシャルアンプに突っ込み、大音量で鳴らすとこんな音になります。この歪んだギターの音がロックギターの始まりとも言われていますね。当時はエフェクターなんてなかった時代。それをエフェクターを使わずに、ハードな音を作り出し、ギターを弾きまくっていたクラプトン。カッコいい!

フレディ・キングのインストナンバーの②「Hideaway」。
ここでも主役はクラプトン。シャッフルビートに乗っかり、軽快に、そして豪快な音で弾きまくります。途中でエイトビートに転換するところもGood!

ジョン・メイオールとエリック・クラプトンの共作の⑤「Double Crossing Time」は、ハードなブルースナンバー。
ジョンのアコースティック・ピアノはゴスペルタッチで実にアーシー。クラプトンのギターはここでも豪快、実に豪快!!

レイ・チャールズのカバーの⑥「What'd I Say」。
本作はブルース一辺倒のアルバムというわけでもなく、こうしたR&Bナンバーもカッコよく演奏してます。ここではジョンのオルガン、エリックのギターのみならず、ヒューイ・フリントのドラムソロまで収録されてます。このヒューイという方、ジャズ畑の方のようですが、ここでのドラムはちょっとたどたどしいところもあったりして、私的にはあまり評価出来ません(そんな評価する立場にもないのですが)。このナンバーの聴き所は、このドラムソロの後に続く、「Day Tripper」のリフ。エリック・クラプトンがビートルズの、あのデイ・トリッパーのリフを弾いてます。硬派なクラプトンというイメージですが、こうしたお茶目なところもあるわけです。

最後にご紹介するのはロバート・ジョンソンのカバーの⑩「Ramblin' On My Mind」。
なんとヴォーカルはエリック・クラプトン。声にコンプレックスを持っていたクラプトンですが、これが初のヴォーカルレコーディングトラックでしょうね。初々しい部分もありますが、しっかり歌っております。

素晴らしい!!と思っていたら、エリック…、このアルバムが発表される直前に脱退。ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーとクリーム結成に動きます。ちなみにジャック・ブルースは一時期ブルースブレイカーズに加入しており、エリックとは共演しています。そういった意味でもジョン・メイオールは当時のブルース系ロックの人脈のコアだったのでしょうね。

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