TUBE「N・A・T・S・U」(1990)
もうこのアルバムが発表されて30年以上という歳月が経っているんですね。その、時の経過に驚きを覚えます。このアルバムこそ、私の大学生活に彩を添えてくれた重要なアルバムなのですから。
このアルバムが発表される直前の冬、私はボディーボードを堪能しに、オーストラリアへ1ヶ月放浪の旅へ出ました。そして夏を向かえ、毎日のように九十九里へ繰り出したものです。その時には必ずこのアルバムを持って行ったし、必ず海から家路へ向かうドライブソングのトップは、このアルバムの1曲目「 THE SURFIN’ IN THE WIND」でした。
あまりにCDを持ち歩いていたので、このアルバムのCDケースは傷だらけです。懐かしいですね。
TUBEって、もう皆さん、あんまり興味ないでしょうね。私も最近のTUBEはよく知りません。でもこの当時のTUBEは素晴らしかった。
1988年、メンバーの角野氏(ベース)が同乗者を死亡させる交通事故を起してしまい、TUBEは重要な決断を下します。TUBEはあくまでもこの4人。解散も検討されたようですが、活動自粛を経てTUBEはこの4人で復活を果たします。しかもこれ以降、全曲メンバー自身の作詞作曲を基本としていくのです。
そして1989年に発表されたアルバム「Summer City」。これが素晴らしかった。従来のTUBEには見られない楽曲の洗練されたアレンジ。もちろん昔からTUBEファンだった私も、この変化は嬉しかったですね。
そしてこの次に発表されたアルバムが本作。以降5,6枚のTUBEのアルバムをリアルタイムで買っていきましたが、正直、やはりこのアルバムが一番素晴らしい。メンバーの結束、なによりギターの春畑氏の作曲能力に磨きがかかったことが要因と感じます。
またこのアルバムのなかでも一番有名な曲と思われる⑤「あー夏休み」、この曲だけは好きになれなかったんですよね。一般的にはこの曲が一番人気があると思うのですが・・・(笑)。
前述の①「THE SURFIN’ IN THE WIND」・・・。このイントロを聴いただけでワクワクしたものです。とにかく押して押して押しまくるノリが素晴らしい。
この当時の前田さん、まだ痩せてます(笑)。間奏のハル(春畑氏)のギター、かっこいいですね。やっぱりハルのギターサウンドがこの頃から大きく変わったことも、TUBEが一皮むけた要因かもしれません。
ちなみに16年くらい前、仕事で一度だけ飯島直子さんとお会いしたことがあるのですが、ホント素敵な女性でした。しかも超気さくで飾りっけなし! 離婚の話もさらっとされてましたっけ。
離婚の件、この時ばかりは前田さんに失望したものです。
この次の続くのが②「90’S DOOR」。
♪ Just Standing at 90’S DOOR
新しい歴史(ドラマ)は誰が書いてもかまわないはずだから ♪
前田氏らしい心を揺さぶる歌詞なんですよね。90年代幕開け、学生→社会人へと進んでいく当時、この歌詞には勇気づけられたものです。これ以降も事ある毎にTUBEの歌を聴いて自らを鼓舞しておりました。
大好きだった③「Forever Young」。
YouTubeのコメントを見ても、この曲が懐かしいと感じる方が多々いらっしゃって嬉しい限り。タイトル通り、永遠に若く…、ハマショーっぽい歌詞ですが、メロディはTUBE。この曲を聴くと夏に遊び過ぎていた学生時代を思い出します。
④「MADE IN SUMMER」。めちゃめちゃハルのギターが心地よいのです。そしてシンコペーションを効かせたリズムがこれまた心地よい。新生TUBEの音ですね。
これら楽曲のYouTube映像を見ていたら懐かしい楽曲が・・・。それは渚のオールスターズの「Day in Vacation」。この曲は1989年発表ですから、ファンには馴染みの1曲だったのでしょうね。アップしたのは渚のオールスターズのTV出演時の映像。亜蘭知子さん、可愛い。
ちょっと趣向が変わった⑥「BEAUTIFUL WORLD」。
アンプラグドなTUBEといった感じ。ウクレレと波の調べが心地よい。ちょっと夜に聴いてみたい曲と思いませんか。
間奏の春畑さんのギターソロが渋い!
そしてこのアルバムのハイライト・・・(「あー夏休み」ではありません)、⑧「N・A・T・S・U」。やっぱりこの曲、TUBEの転換期における重要な1曲ですね。
このイントロ・・・、素晴らしい。
このアルバムにはここではご紹介しなかった曲も名曲揃いです。恐らくブックオフではこのアルバム、不当に格安で放置されていることでしょうから、ご興味が少しでも持たれれば購入されることをオススメします。
アルバムジャケットはオーストラリアの西海岸、パース(確かそうだったと思います)。私はその反対のサンシャイン・コーストやサーファーズ・パラダイスを放浪したので、いずれパースへ行きたいと思ったものです。
なんだか久しぶりに当時の熱き想いが蘇ってきました・・・。