竹内まりや「Miss M」(1980)
TOTO系アーチストとのコラボ、意外と知られていない竹内まりやのAORアルバム
AOR好きな方のブログには本作品はだいたい紹介されてますね。私も竹内まりやのアルバムは全て大好きで、ムーンレーベル時代の「VARIETY」や「REQUEST」は本当によく聴きました。でも今もよく聴き返すのはやっぱり本作…。
デヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンといったらAORの中心人物。そのデヴィッドとジェイ、TOTOの面々とタッグを組んだ竹内まりやの4枚目のアルバム。本作はAサイド(①~⑤)がLAサイド、Bサイド(⑥~⑨)が東京サイドとなっており、LAサイドはこれら面子でレコーディングされてます。
このアルバムの良さは中ジャケの写真がよく現してます。これらの写真を見ただけで、早く曲を聴きたくなります。
左からスティーヴ・ルカサー、ジェフ・ポーカロ、ジェイ・グレイドン、デヴィッド・ハンゲイト、デヴィッド・フォスター。スゴイ面子ですね~。
音を聴いてみましょう!アルバム1発目の①「Sweetest Music」はジェフの軽快なドラムと、ジェイ・グレイドンの弾けるギターソロが聴けるゴキゲンなドライブソングです。ソウルフルな迫力あるコーラスはビル・チャンプリン、トム・ケリー(このコーラスは全員女性では?と思わせるくらい凄いです)。圧倒的な疾走感、まりやさんもこのグルーヴに乗っております。
②「Every Night」は作詞アラン・オディ、作曲山下達郎のアダルトムードな楽曲。落ち着いたAORですね。英詩、かつ典型的なフォスターAOR独特のホーンアレンジとリズムアレンジなので、海外のAORソングに聴こえます。
地味ですが④「Secret Love」も素晴らしいAOR。作詞はマーク・ジョーダン、作曲はDフォスター&Jグレイドン。このコーラスが素晴らしい。もちろんコーラスはビル・チャンプリンとジェイ・グレイドン。下の写真はそのレコーディングのもの。
心安らぐメロティを持つ⑤「Heart to Heart」は作詞竹内まりや、作曲ロジャー・二コルスの作品。如何にもロジャーニコルスらしいメロディ…、つまりカーペンターズが歌いそうな楽曲。これも隠れた名曲。この泣きのギターソロはスティーヴ・ルカサーですね。
①「Sweetest Music」と⑥「二人のバカンス」を聞き比べるとLAサイドと東京サイドのリズムセクションの違いがはっきり分かると思います。この「二人のバカンス」も曲自体はAOR的ですが、東京サイドのアレンジだと不思議と歌謡曲に聞こえてしまいます。この曲をTOTO系面子がやると、かなり引き締まったものになるでしょう。ちなみにこの曲は作詞竹内まりや、作曲は林哲司。林さんはデビュー当時からまりやさんに楽曲提供しておりました。
作詞作曲まりやさんの楽曲も収録されてます。それが⑧「雨のドライブ」。ちょっとジャージーな、しみじみ感じる名曲。間奏のピアノソロは清水信之さん。
それにしても本作の中ジャケのもう一枚の写真(↓)、本当に竹内まりやは素晴らしい!ちなみに写真の筆記体は竹内まりやの実筆です。その台詞もすごい・・・。