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John Mayer「Born & Raised」(2012)
ジョン・メイヤーの2012年発表の5枚目のアルバム。もう本作が発表されて10年が経つんですね。
この作品が発表されるまでのジョンは、ブルースに接近し、そういった音楽をやってました。個人的にはデビュー当時のフォーキーな感じのロックしているジョンが好きでしたので、ブルース寄りのジョンはあまり好きになれなかったんですよね。
ですから当時はこの新作もその延長線上のもの・・・と決めつけていたんですよね。それがタワレコで何気なく本作を試聴したら・・・、いや~、いいじゃないですか!!! 当時、結構驚いた記憶があります。
本作は素晴らしい内容なんですよ。フォーキー&スワンピー。またしっかりR&B的な楽曲もあり、70年代洋楽ファンには堪らない1枚となってます。
まず音楽を聴く前にどうですか~、このジャケット。グッドタイム・ミュージック、古き良きアメリカの音楽って感じが漂ってます。ちなみにCD盤も、昔のコロムビアのロゴ的な印刷がなされてます。パッケージングについても凝っていますね。
そしてオープニングの①「Queen Of California」。いきなりサイモン&ガーファンクル??と勘違いしてしまうシンプルなアコギ・・・、と思いきやスティール・ギターなんかも入ってくるスワンプのノリに。ちょっとカントリー的な佇まいも感じさせ、いいです、この感じ。
ちなみに歌詞には
♪ Looking for the sun that Neil Young hung
After Gold rush of 1971 ♪
なんてフレーズも登場します。
シングル・カットされた③「Shadow Days」のPVもアップしておきましょう。
他にもイイ曲はあるので、なぜこの曲がシングル・カットされたのか、ちょっと疑問ですが。
音楽ライターの金澤さんも当時ご指摘されてましたが、このギター・ソロなんかはジョージ・ハリスンを連想してしまいます。
ちょっと骨太なスワンプがお好みであれば⑤「Something Like Olivia」なんかがいいかもしれません。
いぶし銀のジョンのギター・ソロが堪能出来ます。またこの独特のタイム感覚のドラムはジム・ケルトナーです。ジムが叩いていると聞いて改めてこの曲を聴くと、なるほどジムっぽいと思われるでしょう。
アルバムタイトルトラックの⑥「Born and Raised」はグラハム・ナッシュとデヴィッド・クロスビーのコーラスが心地いいナンバーです。
ハーモニカやスティールギターがダウンアース的な雰囲気を醸しだしてます。
そしてこのトラックはアルバムエンディングでリプライズとして再び登場します。こちらのトラックはカントリーフレイヴァーたっぷり。私の大好きなナンバーです。
⑧「Love Is A Verb」のリラックスしたムードも大好きです。
このムードはエリック・クラプトンがスワンプに接近したときに奏でていた音楽に似ています。
ジョン・メイヤーもいろいろな音楽にチャレンジして、行き着いた先がこうした音楽であったというのは、クラプトンがスワンプに接近した事象と酷似しているような気がします。
それてにしてもAmazonの評価コメントはいつ見ても面白い。最近はこの作品の評価は高いですが、当時はこの素晴らしい作品に★2つをつける方もいらっしゃいました。概ねいぶし銀のカントリーミュージックは受け付けないというご意見でしたが。確かにこのテの音楽は好き嫌いがハッキリ分かれるでしょうね。