見出し画像

Van Halen「Van Halen」(1978)

炎の導火線…ハードロックの歴史を変えた驚愕の名盤

本作は学生時代にアナログ盤を何百回と聴きまくった名盤です。私にとってはレッド・ツェッペリンやディープ・パープルといったブリティッシュ系ハードロックとはまた違った形のアメリカン・ハードロックの沼に誘ってくれた大事な1枚なのです。
もちろん後にリマスター盤CDも購入。社会人になってからも、精神的に疲れることがあると、これをチョイスし、憂さ晴らしをしておりました(笑)。

ヴァン・ヘイレンというとエディ・ヴァン・ヘイレンのトリッキーなギター、デヴィッド・リー・ロスのエンターテイメント性溢れるパフォーマンスと野性的なヴォーカルが頭に浮かぶと思いますが、私はマイケル・アンソニーの超人的なコーラスが大好き。ビーチボーイズが好きな私にとって、マイケルの超高音コーラスは非常に感動的でした。
また当時はアレックス・ヴァン・ヘイレンの軽めな音のスネアが好きにはなれなかったのですが、いかにも陽気なアメリカンサウンドって感じで、ヴァン・ヘイレンの音にはぴったりなんですよね。

ジャケも実にカッコいい

さて本作は彼らにとってはデビューアルバムなのですが、ハードロック業界にも衝撃を与えた一枚でした。
ベースはシンプルなロックなのですが、野性的なヴォーカル、トリッキーなギター、激しいドラム&ベースが加わると見事なヴァン・ヘイレンサウンドとなります。

とにかくオープニングの①「Runnin' with the Devil」のイントロから実にスリリング。
デビューアルバムの1曲目から、もう既にヴァン・ヘイレン・サウンドは完成されてました。吠えまくるデイヴ、激しいギターに、なぜか爽快なコーラス。ちょっと陰のあるブリティッシュ・ロックとは明らかに一線を画す典型的なアメリカン・ハードロック。スカっとします。

そして本作の大きな特徴は2曲目にいきなりインストを持ってきていること。②「Eruption」というギター中心の曲ですが、こんな激しいギターインストは無かったと思います。今でこそ当たり前になった「ライトハンド奏法」はこの1曲で、世間に認知されました。こんな曲を2曲目に持ってくるとは、エディも相当自信があったのでしょうね。
もちろんエディのプレイは皆さん、よくご存じとは思いますが、故エディの驚愕のプレイは後世に伝えるべく、ライヴバージョンをアップ致します。

元祖ブリティッシュ・ハード・ロックの名曲③「You Really Got Me」。
オリジナルは英国キンクスのヒット曲ですが、ヴァン・ヘイレンはこの曲で衝撃的なデビューを飾りました。
ヴァン・ヘイレンがカバーすると、こんなにもアメリカンになるんですね(笑)。恐らく当時はこんな音を出すバンドがあるわけもなく、誰もが愕然としたと思います。
いまでこそ多くの方が聴いたことがあると思いますが、もし聴いたことがない方が居れば是非聴いてみてください。ヴァン・ヘイレンの全ての魅了が凝縮されてますので。
あ、アップした映像は下世話なデイヴが堪能出来ますが、何となく観客の女性も引き気味(笑)。

ライヴでは定番になった④「Ain't Talkin' 'Bout Love」も大好きな1曲。
典型的なヴァン・ヘイレン・サウンド。この曲はデイヴのヴォーカルがピッタリ。特にサビのコーラス、ライヴで一緒に叫びたいですよね(笑)。
昨年のサミー・ヘイガーの来日公演では、この曲はマイケル・アンソニーが歌っておりました。そのマイケルの素晴らしい歌声もどうぞ。

本作中、一番のスピードソングが⑤「I'm the One」。
早いだけでなく、シャッフルリズムなので、ノリが尋常じゃないくらい凄い。アメリカ人は本当にこのテのリズムキープが上手いですよね。
基本的にアレックスのドラムはあまり私の好みではないのですが、この曲のリズム、特にバスドラは上手いなあと感じます。あと間奏のアカペラなるところなんかは米国人気質が発揮されてますね。

本作にはカバー曲が2曲収録されてますが、「You Really Got Me」ともう1曲のカバーソングが⑩「Ice Cream Man」です。
こちらはブルース・ミュージシャンのジョン・ブリムのカバー。後にデイヴのソロにも収録されているので、デイヴの趣味であろうと思われます。
実際、こういう曲を歌わせたら、デイヴ、光りますね~。

ちなみにヴァン・ヘイレンのデビューにあたっては、キッスのジーン・シモンズがバックアップしたとのこと。確かにSpecial Thanksにはジーンがクレジットされてます。アルバムを購入した当時は全く気付きませんでしたが。

本作は間違いなく歴史に残る名盤。ジャケットも名盤の風格がありまね。
つくづくエディの早すぎる死が悔やまれます。実兄のアレックスの、エディと一緒でないとドラムをする気になれないといったお気持ちはよく分かります…。


いいなと思ったら応援しよう!