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Foreigner「Agent Provocateur」(1984)

80年代の商業ロックを代表するバンドのひとつ、フォリナー。フォリナーといえば1981年に発表されたモンスターアルバム「4」ですが、私が洋楽を聴き始めた頃には既に「4」が発表されており、本当の意味でのリアルタイムに聴いたフォリナーのアルバムが本作です。

「4」のベストセラーから翌年のベスト盤発表を挟み、3年振りのオリジナルアルバム発表ということで、本作への期待感は相当高かったような記憶があります。

プロデュースはデュラン・デュランやトンプソン・ツインズ、トーキング・ヘッズ、グレイス・ジョーンズ等を手掛けた今は亡きアレックス・サドキン。初期のハードロック然としたフォリナーからすると、アレックス・サドキンの起用は違和感を覚えます。ただし本作には、初期のドラマチックなハードロックは欠けらもなく、彼の起用も何となく頷けます。

とはいっても①「Tooth and Nail」はハードロック調。70年代のドラマチック性はないものの、80年代商業ロック的な香りを感じさせます。

②「That Was Yesterday」はヒットしてましたね。甘ったるいキーボードといい、お子様ポップス調のメロディといい、緊張感は感じられない楽曲ですが、良くも悪くもこれが80年代サウンドなんですよね。当時はよく聴いてました。

そして大ヒットした③「I Want to Know What Love Is」。とにかくよくラジオから流れてきてました。前作「4」でのヒット曲「Waiting For A Girl Like You」を受け継ぐようなバラード。でもこの曲、今聴くとゴスペル的な要素がうまく昇華されており、楽曲としての完成度は高いですね。
80年代を代表する1曲ではありますが、個人的にはフォリナーを代表する曲とは思えません(やっぱりフォリナーは「Feels Like The First Time」ですね~)。

後期ZEPのような⑤「Reaction to Action」。
ルー・グラムのヴォーカルはこうしたソウルフルなハードロックが似合います。ルー自身は「I Want to Know What   Love Is」のようなバラード路線には反対のようでした。もちろんバラードもうまく歌いこなすヴォーカリストですが、やっぱりロックしているルーの方がかっこいいですね。

⑩「She's Too Tough」・・・。イントロからシンセのリフが・・・。
これを聴くとトップガンで御馴染み、ケニーロギンスの「Danger Zone」を連想してしまいます。こういうアレンジが流行っていたのか、音作りが似てますね~。

フォリナーの人気は本作を境に下降線を辿っていくことになります。モンスターアルバム「4」は80年代の幕開け的な商業ロックアルバムですが、それでもまだまだ緊張感漂うアルバムでした。ルー・グラムもそういった点は理解していたのかもしれませんね。


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