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The Knack「Get the Knack」(1979)

ザ・ナックと言えば「マイ・シャローナ」。あのシャープでパンキッシュなパワーポップが大好きです。でもあれほど大好きな「マイ・シャローナ」なのにナックの他の曲を知りませんでした。ナックを一発屋と称する記事を多く見るのですが、あれほどセンスある楽曲(「マイ・シャローナ」)を作ったグループなのになぜなのだろうと素朴に疑問に思ってました。
今回縁あり彼等のデビューアルバム「Get the Knack」を聴く機会があり、彼等の他の曲も聴いてみましたが、やはり一発屋と称するには勿体無いグループですね。

ナックに対するストレートなイメージ、「マイ・シャローナ」のようなロック系の音をイメージしていたのですが、1曲目①「Let Me Out」からその先入観が少し裏切られました。チープトリックに非常に似ているなあというのが最初の感想ですね。メロディからコーラスまでそっくり。イコール、ビートルズからの影響大ということなんでしょうね。ナックってかなりパワーポップ寄りなんですね。曲の長さも僅か2分40秒ちょっと(笑)。

セカンドシングルは⑥「Good Girls Don't」。これも決して駄作ではありません。親しみやすいメロディに、心地よいコーラス。あ~、これもチープトリックみたいですね。

⑦「My Sharona」。もうこのデビュー曲については言うことなしですね。5週連続全米ビルボードNo.1の名作です。この間奏の熱気溢れるギターソロが堪りません。私はギタリストでないので、彼等のギターテクニックについてはよく分かりませんが、恐らく決して上手くはないのに、聞き手をここまで熱くさせるソロはそうそうないと思ってます。
ナックは1982年に一旦解散し、1991年に再結成され、1998年にはなんと名手テリー・ボジオ(Ds)が加入しております。テリーはこの「マイ・シャローナ」を叩きたく、ナックに加入したのではないでしょうか(全くの勝手な憶測ですので…)。このドラムも個性的で、この曲の持つシャープ感の一躍を担ってます。

本作のなかでは一番ビートルズっぽいのが⑪「That's What The Little Girls
Do
」。ビートルズといっても初期の香りですね。所謂リバプールサウンドっていうやつです。
私はこのテの音楽が大好きなんですが、「マイ・シャローナ」が好きなロッカーにとっては、こうした楽曲は馴染めなかったのかもしれません。

このデビューアルバム、実はシングル同様に全米No.1を勝ち取っています。当時のディスコブームから相反するようなこの音に、根っからのロック好きが飛びついたのでしょう。それにしても「マイ・シャローナ」が強烈過ぎた。この曲の出来があまりにも素晴らしく、あとの曲が凡庸に聞えてしまったのかもしれません。もちろん決してそんなことはないのですが。

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