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Free「Fire and Water」(1970)
60年代後半から70年代前半って、ブリティッシュ・ロックはカオス状態、素晴らしいバンドが勃興、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルはもちろん、イエス、ピンクフロイドといったプログレバンドもおりました。そんな中、演奏技術よりもグルーヴで聴かせるバンドも多く、その代表格がフェイセズやフリーでしょうか。フェイセズやロッドがロックンロール&フォーク寄りなら、フリーはブルース寄りの本格的なロックと云えますね。
フリーは1968年結成。メンバーは最近多くの人が知る人となった新生クィーンに参加していたポール・ロジャース(Vo)、そしてポール・コゾフ(g)、アンディ・フレイザー(B)、サイモン・カーク(Ds)。特にアンディ・フレイザーは15歳のときにジョン・メイオールのバンドに参加していたというから驚きですね。この本作発表時点でもなんと彼は18歳だったと思います。
本作は1970年発表の彼らの3枚目にして代表作。フリー、というかブリティッシュ・ロックの礎を築いた重要なアルバムです。
ジャケットがまたカッコいい!3枚目にして初のセルフプロデュース作でもありました。全7曲。ここには独特の寂寥感が漂っています。それは音と音の隙間が多いからで、今のご時世、物足りないと感じられる方も多いと思いますが、その隙間も独特のグルーヴ感が感じられ、また非常に緊張感に満ちており、ついつい聞き入ってしまいます。
アルバム・タイトル・トラックの①「Fire And Water」。火と水という対照的なコントラストが、この曲も持つ静寂なグルーヴ感を表してます。
バンドの素晴らしさを一番現しているのは⑤「Mr. Big」でしょう。
あのMr. Bigというバンド名はこの曲が由来であることは有名な話しですね。
ポール・ロジャースのブルースに根ざしたボーカル、ポール・コゾフの魂のギター、重いサイモン・カークのドラム、そして何といっても自由気ままなアンディ・フレイザーのベースは凄いです。特に後半。このランニング・プレイは一聴に値します。せっかくなのでライブバージョンをアップしておきます。
フリーでもっとも有名な曲⑦「All Right Now」あたりが聞き所でしょうか。この曲は簡単なスリーコードなので、メンバーも最初、この曲がシングルカットされると聴いて、ビックリしたそうです。それくらい気楽に作った曲…ということなのでしょう。 それにしてもアップしたスタジオライブもカッコいいですね。
ジミヘンもポール・コゾフもトミー・ボーリンも、この当時の天才ギタリストは皆早逝…。残念ですね。
それにしてもずっと後に、このブルース・シンガーのポールが、まさかクィーンと合流するとは、全く想像すらしておりませんでした(フレディとはあまりにも唱法が違うので)。