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Humble Pie「Rock On」(1971)
今年もあっという間に過ぎていったような気がします。
2年前の12月29日に初代愛犬亡くなり、1年半前に2代目トイプーを迎え入れたことで、先住猫とトイプーのバトルを毎日経験することとなり、それが1日1日慌ただしくさせていた要因かもしれません。
今年は外飼い猫(野良猫とも言いますが)も、巣立っていった娘の部屋に迎え入れ、また新たに子育てしている感もあったりして(笑)。
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この note では音楽のことにしか言及しておりませんが、そんな感じで(もちろん仕事もちゃんとしております)バタバタした1年でした。
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ちなみにこのnoteのよく読まれた記事は掲記の通り。本来洋楽中心のnoteなんですが(笑)。
ということで今年最後のご紹介はやっぱり爽快なロックで締めたいと思います。
ハンブル・パイ…、スティーヴ・マリオットとピーター・フランプトンの2枚看板時代の名盤をご紹介致します。
1970年、ハンブル・パイはメンバーがやりたいようにやって、ちょっと散漫な印象も受けたサードアルバム「Humble Pie」を発表し、翌年にはよりシャープな印象の本作を発表します。スティーヴはよりブルージーかつソウルフルな志向に向かい、一方ピーターはそういった方向性に付いていけず、結局スタジオアルバムとしては本作を最後に脱退してしまうのですが。
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まずはピーター作の①「Shine On」をどうぞ。
この曲は後にピーター自身のソロライヴでも披露されることとなる、彼の代表作のひとつですね。ミディアムテンポの、かなりヘビーな印象を与えるイントロ。ちょっと後のバッド・カンパニーを彷彿させるようなヘビーロックです。
黒っぽいハモンド・オルガンはスティーヴのプレイ。ソウルフルなコーラスはソウル・シスターズ(P.P.アーノルド、ドリス・トロイ、クラウディア・レニア)。スティーヴはスモール・フェイセズ時代からP.P.アーノルドとは交流があったようです。
メンバー4人の共作の④「Stone Cold Fever」。
濃いブルースナンバーですね。ある意味ZEPより聴きやすいブルースですが、ちょっとサイケな感じもするし、この時期のハンブル・パイらしいハードなナンバー。スティーヴのシャウト、ハーモニカも堪能出来ます。
本作の大きな聴かせ所のひとつがマディ・ウォーターズの⑤「Rolling Stone」でしょう。
激しくシャウトするスティーヴ、弾きまくるピーター、スティーヴがステージ真ん中ではなく、右端というのも印象的。ハーモニカとヴォーカルを交えた熱演です。
個人的にはこういう強烈な長尺ブルースは苦手なんですが、この曲の後半、映像では9分45秒あたりからのブギーは大好きです。ハンブル・パイ流のアレンジですね。映像そのものがカッコいい。こういう映像がパソコンでじっくり堪能出来るなんて、いい時代になったものです。
このアルバム、個人的にはB面が大好き。
フォーキーなバラードのスティーヴ作の⑥「A Song For Jenny」はB.J.コールのスティール・ギターが染みるブリティッシュ・フォークの傑作。
ちょっとファンキーでありながらも、どこかフォーキーなピーターの⑦「The Light」に続く、⑧「Big George」はベースのグレッグ・リドリーの作品。ヴォーカルもグレッグが務めてます。
スティーヴやピーターとも違う、ちょっと明るいソウルナンバー。ブルース一辺倒だと気が滅入ってくるし、フォーキーなものばかりでも飽きてしまうし、こういう曲が収録されていることで、アルバム全体が引き締まるような気がします。
そして今度は一転、ちょっと緊張感のある⑧「Strange Days」。
最初この曲を聴いたとき、トラフィックみたい…と感じました。イントロがジャズのような展開。作詞はスティーヴですが、作曲はハンブル・パイによるもの。メンバーがアイデアを出し合って作ったのでしょう。リリカルなピアノはスティーヴ。ピーターのギターソロも気のせいかラテンタッチ。
この曲やこの後に続くブギウギ調の⑩「Red Neck Jump」を聴くにつれ、ハンブル・パイって器用なバンドだったんだなあと感じます。
素晴らしいバンドだったんですね。
ハンブル・パイはまだご紹介出来てないアルバムもありますので、また続きは来年どこかで…。
ということでまた来年も宜しくお願い致します。
皆様、よいお年をお迎えくださいませ。