最愛のおじいちゃんへ
桜が満開を迎えた、寒くも暑くもない、とても穏やかな日。大好きなおじいちゃんが天国へ旅立ちました。
これからの桜の季節、桜が咲く度に、あたたかな風がたんぽぽの綿毛を運ぶ度に、きっと、おじいちゃんのことを思い出すでしょう。
おじいちゃんは、地域のコミュニティーセンターの館長を務めたり、地区の行事の先頭に立って、みんなを引っ張ったりしている姿が印象的でした。
いつも優しい笑顔で周囲を照らし、人を導く姿は、多くの人からの信頼を集めていました。
幼い頃の記憶は、両親が共働きで、一人っ子だったこともあり、おじいちゃんとおばあちゃんと過ごした思い出ばかり。
毎晩将棋をしたり、釣りに出かけたり、ギターを買ってもらったり。
いつも家族のことや、地域のことを考えてくれるおじいちゃんが、大好きで、大好きでたまりませんでした。
大学生活の4年間、実家を離れて暮らしていた時は、手紙や電話をもらいました。「天気予報、山形と名古屋の2ヶ所、毎日チェックしてるんだぁ!」、「今年もトマトできたよ!」と笑顔のおじいちゃん。離れていても、沢山の愛情を貰っていたこと、今になってひしひしと感じます。
就職が決まってから、1年間だけですが、一緒に暮らすことができました。朝早く家を出て、夜遅く帰宅する私は、ほとんど言葉を交わすことはできませんでしたが、「いってらっしゃい!」と、「おかえり!」のあいさつに、どれだけ救われたか分かりません。
心残りは一つ。おじいちゃんの物語の、最後の数ページに、登場することができなかったこと。長い長い物語の最後、おじいちゃんは一人で闘いました。おじいちゃんの意識がはっきりしなくなり、救急車で運んで入院してからの一ヶ月間、会うことも、声を聞くこともできませんでした。
励ましてあげたかった。「がんばろう!」「大丈夫!」と言ってあげたかった。最後の瞬間、手を握って、「ありがとう。」と伝えたかった。
本当にごめんね。
意識がないまま、目が覚めたら病院にいたおじいちゃん。体調は良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら、自分の置かれた状況が理解できずに、夜中に騒いでしまうこともあったそうです。
寂しくて、辛かったよね。
家に帰ってきたおじいちゃんは、まだ少しあたたかくて。とてもおだやかで、ただ眠っているだけのようで。
「お願い、届いて。」と気持ちを込めて、何度も感謝を伝えました。
今まで、本当にありがとう。
おじいちゃんの物語、最後の1ページ。沢山のお花と、沢山の人に見送られたお葬式。みんなで心を込めてお別れができたこと、嬉しかったよ。
もう一ヶ月が経つのに、まだふとした時に涙が溢れてしまう毎日だけど、おじいちゃんのような人になれるように、笑顔の素敵な、かっこいい人になれるように、がんばります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
追記
お葬式から家に帰る車の中。涙を流しながら、自分が子どもだったの頃のおじいちゃんとの思い出を語る父。「じじは、〇〇やりたい!」って言うと、絶対ダメって言わない人だったなぁ。何でも、好きなことをやらせてくれた。良き相談相手であり、一番の理解者であり...。それは大人になってからも同じで...。いい父親だったなぁ...。
私は、おじいちゃんと父が一緒に過ごした日々のエピソードが、父と自分が過ごした日々にぴったり重なることに気づきました。
お父さん。お父さんよ。あなたそっくりじゃないか。
自分のことを話してるのかと思ったよ。(笑)
心の中で、大きくツッコミを入れた私でした。
バトンはしっかり貰ったよ。
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